柏市学校図書館紹介blog

2025年9月の記事一覧

世界を広げる「知りたい!」「読みたい!」を応援する学校図書館  柏第五中学校図書館

 柏五中は、近くを大堀川が流れ、移り変わる自然の美しさを日々感じることのできる場所にあります。

 恵まれた環境のもと、542名の生徒が45名の教職員と「共に創造し 思いやりを持ち 健やかに生きる」という学校教育目標にむかって、学習に取り組んでいます。

 柏五中の学校図書館は、特別棟の2階にあり、3年生のフロアとつながっています。1、2年生のフロアからもアクセスが良く、昼休みは多くの生徒で賑わいます。

〈柏第五中学校図書館〉

 授業での図書館活用は、国語を中心に、社会の自由進度学習、理科、英語、美術、家庭科などで利用されています。

 前期の国語では、図書館の資料を利用して、3年生が修学旅行の思い出を紀行文にしました。締めの一句には、それぞれの思い出がぎゅっとつまっています。

 

 理科では、2年生と3年生が調べる学習に挑戦。生き物の体の仕組みや、遺伝と進化をテーマに、個々の疑問・関心に従って本とPCを利用して調べました。はじめは何を課題とするか悩み、うまくいかないこともありますが、進めていくうちに自分なりの視点や疑問、知りたいことが出てくるようになりました。調べ方のイメージを持つことや、実際に手を動かして調べるという練習も大切です。

〈3年生の理科の調べる学習の様子〉

 

 学校図書館には調べる学習ハンドブックや参考となる資料が揃っています。

〈調べる手立ての資料や本のコーナー〉

  学校図書館では、調べる手立てや参考になる本を手に取りながら学習を進めることができます。

 調べる楽しさを知ると世界が広がります。調べる力を身につけることを通して、世界が広く開かれていくことを学校図書館は応援しています。

 コミュニティスクールが中心となり、前期に1年生の総合的な学習の時間でブックトークが行われました。

 五中学区では、読書推進の取り組みとして、地域の方々による読み聞かせが小学校で続けられてきました。中学校でも、人生を豊かにし、進む道を照らしてくれるような本との出会いを応援しようとコミュニティスクールがブックトークを企画し、学校図書館と協力して実現しました。地域の方の熱いブックトークを聞いて、

「紹介してくれる方の熱量がすごくて、読んでみたいと思った。」

「心に刺さる言葉が紹介されて、読んでみたいと思った。」

「自分と主人公の境遇が似ていて、その主人公の思いと重なった。」

などの感想が聞かれ、新しい本との出会いがたくさん生まれました。ブックトークの本は学校図書館の所蔵本から選んでいただいたので、ブックトーク後の図書館では、紹介された本がさっそく貸出されていました。

 地域と共に、子どもたちの成長を支え、豊かにしていくために一番いい方法を探っていきたいというコミュニティスクールの活動は、五中学区の読書推進においても次へとつながる取り組みとなりました。

〈地域の方のブックトークを聞いている様子〉

〈コミュニティスクールの皆さんと〉

 

 学校図書館の日常を支えているのは、図書委員会の生徒です。

 図書委員会が中心となってすすめる味見読書は、新着本がまとまって入る夏休み・冬休み前に実施します。限られた時間の中で少しずつ多くの本を手に取ることは、意外と難しいものですが、学年が上がるにしたがって本の味見も上手になっていきます。図書委員の説明と司会進行のおかげで、思いがけない本との出会いを楽しみにしてくれている生徒が増えています。

 毎日の開館や書架整理、イベントの開催や本の紹介、生徒への呼びかけ等、図書委員の仕事は多岐にわたり、忙しくもありますが、一人一人が責任感を持って臨み、本とのかかわりを楽しく豊かにする場所を作ってくれています。

 

 柏五中図書館は、生徒の「知りたい!」「読みたい!」気持ちを応援し、世界を広げる場所でありたいと思います。

 

 

第4回学校図書館指導員研修

 7月25日(金)沼南庁舎にて第4回学校図書館指導員研修が実施されました。

1学期の業務を終えた全校の学校図書館指導員が集い、情報交換や活発な学び合いが行われました。

 

・講義「基本の仕事」

 今年度3回目の「基本の仕事」の講義がありました。今回のテーマは「業務の補足事項」です。学校図書館コーディネーターから、問い合わせが多い案件や、業務に役立つツールについて解説がありました。

 

・ステップアップ研修「ブックトークをしよう!」

 1学期からグループごとに取り組んできた「授業で活用できる本」ブックリストが完成し、今回はこのブックリストの本を使ったブックトークの発表が行われました。

 まずは、同一単元の3人グループでそれぞれブックトークを行います。

 次に、21グループを3回に分けてブックトークを発表したり聞いたりしました。発表順のリストを見ながら希望する単元の発表を聞きに行きます。質疑応答の機会も設けられ活発な意見交換が展開されました。

 最後に、教育専門アドバイザー笹間ひろみ先生より感想と講評をいただきました。講義のテーマは「ブックトークをしよう! ~読みたい!調べたい!気持ちを引き出すヒケツ~」です。

 「授業で活用できる本」リスト作成とブックトーク実技研修のねらいは、学校図書館を活用した授業の推進、学校図書館指導員の力量向上、選書の充実、の3点です。どの学校にも必要な本があり、本の紹介ができ、単元で学校図書館が活用されていくことを目指します。

 

・グループワーク「選書検討会」

 今年度前期に購入した図書の選書リストの検討会を行いました。また、購入した新着本からおすすめの本を持ちより紹介し合いました。

 

 今回の学びが、学校図書館活用の授業を増やすとともに、どの学校でも同様な支援ができることに繋げられるよう、学校図書館指導員の共有財産として業務に活かしたいと思います。

 

令和7年度 司書教諭・学校図書館指導員合同研修会

 7月1日(火)沼南庁舎にて、司書教諭・学校図書館指導員合同研修会が実施されました。

<研修内容>

(1)講演「学校図書館の活用化を図るIII 〜図書資料の活用とまとめ〜」

   講師 学校図書館スーパーバイザー 藤田利江先生

 今年で3回目となる藤田先生の講演は、はじめにいつも通り学校図書館法に触れ、学校図書館の目的や役割を確認しました。教員と学校司書の職務については、職務の役割分担を共通理解していることが大切ということや学習指導要領にも触れ、学校図書館などを利用し、学習活動における学校図書館活用の必要性を再度理解しました。

photo1

 ワークショップでは、6つのワークシートを順番に体験していきました。

 小学2年生と小学5年生の引用の仕方を教える方法、要約の仕方、マトリックス表の説明、年鑑や百科事典の使い方などポイントを聞きながら取り組みました。「分からなかったことが調べたら分かったという体験を数多くさせていくことが大事」という言葉が心に残りました。

 学校司書の仕事として、課題に対応する教材(資料)を探すことが大切というアドバイスをいただきました。また、学校図書館が学習の重要な拠点になるために、調べ学習や授業で使う本のリストの紹介がありました。0〜8類の本を充実させることが学習センターとして機能するになるというお話でした。

 今回も情報活用、図書資料についてご教授いただき、これからの時代に求められる学校図書館の役割やさらなる可能性について深く考えるきっかけになる講演でした。


 講演の後の研修は、小学校と中学校が2か所の会場に分かれました。

(2)研修「Sagasokka!を使ってみよう」

   ポプラ社 有住春香さん 木村英子さん

 「Sagasokka!」を使用し、ポプラ社作成の研修用ワークシートの問題を解いていきました。答えを探すにあたって、便利な操作や検索のことばのポイントなどサイトの活用の仕方を教えていただきました。

(3)研修「LibraryNAVIを使ってみよう」

   笹間教育専門アドバイサー

 LibraryNAVIという「図書館利用者をナビゲートする、手のひらサイズのじゃばら折りリーフレット」の作り方と利用の仕方を教わりました。このツールを使用する時は、必ず表紙に「LibraryNAVI」のロゴを入れます。実際に用紙を斜めに切り、折ってみると、見出しの場所やあとがきの記入欄などが分かりました。生き物ひみつブックや修学旅行ガイドブック、文豪ナビカードなど様々な調べ学習のまとめとして使えます。学校の先生方にぜひおすすめしたいツールです。

 司書教諭と学校図書館指導員が共に研修を受ける貴重な時間に、主に調べ学習をさらに発展させていく方法を学ぶことができた研修でした。9月から学校図書館が探求の学習においてさらに活用されていくことでしょう。