創立79年目 学び成長し続ける富勢中
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2025年3月の記事一覧
3月10日(月)卒業式予行練習と前日準備
〇金曜日の午前中、卒業式当日に参列する2学年生徒と保護者席となるスペースに1学年生徒に座ってもらい、卒業式予行練習を行いました。全校生徒が一同にそろうのはこれが最後です。本来ですと1学年生徒も参列し、卒業生の晴れの姿をお祝いしたいのですが、体育館のスペースの問題があります。
〇コロナ禍以前のように、通路をなくし席をつめつめにすれば700名くらいの収容は何とか可能ではありますが、コロナを経験していますので、席の配置も余裕をもたせるのがスタンダードになっています。
〇1、2年生も一昨日の3年生を送る会の時とは違って、フォーマルな式の雰囲気を感じ、厳粛な顔つきで卒業生の一挙手一投足を見つめていました。先日の3年生を送る会もよい雰囲気でしたが、卒業式はまた一段高い行事であることを生徒たちは知っていますので、素晴らしいです。
〇式の中で一番時間の長い「卒業証書授与」の場面では、ステージに向かって左の壁にPTAから寄贈していただいたサブスクリーンに、「クラス別の卒業生名簿」をプロジェクターで映写します。予行練習ではあえて行いませんでしたが、当日は堂々と証書を受け取ってもらいたいです。
〇本日午後に、在校生と体育館と教室の会場準備を行いました。
〇会場は整いました。後は明日の天候がくずれないように願っています。
須藤昌英
3月7日(金)「薬物乱用防止&情報モラル教室」出前授業
〇昨日の4時間目、柏市少年補導センターから麻生指導主事をお招きし、「薬物乱用防止&情報モラル教室」を行いました。実施の主な目的としては、薬物やSNSを通じたトラブルや犯罪行為が急増化していることを受け、身体の健全や情報モラルについて考える機会とし、適切な対処方法を身につけることです。
〇講師で来校した麻生指導主事は本校の卒業生であり、冒頭で私からそのことを紹介しました。そのこともあり生徒たちは、先輩の話を熱心に聞いていました。特に来週に卒業式を控え、来月から高校生になる3年生には、危険が潜んでいることを理解してもらいました。
須藤昌英
3月6日(木)孤独のグルメ&教員のサラメシ&3年生最後の給食
〇「孤独のグルメ」という漫画がまずテレビ番組となり、この1月それが映画となって公開されました。私は映画は観ていませんが、テレビでは「食べるだけの演技も面白いな」と思って観ていました。
〇物語の設定は、輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(いのがしらごろう)が、各地の食堂などで一人で食事をする様子を淡々と描くものです。
〇登場する店は「グルメ」という言葉から一般的にイメージされる高級店や流行りの店ではなく、街に溶け込むように年月を重ねた大衆食堂や個人店がほとんどです。主人公が独りで食事を楽しむ様子が自身の独白と共に描かれるスタイルは、それまでのグルメ漫画には見られない内容で以後、多くのフォロワーを生んだようです。
〇実際に私の娘は、テレビと映画で演じている俳優が好きで、映画も観にいったようです。初老の男性が心でいろいろとつぶやきながら食事をするシーンばかりですが、その表情で演技するところなどは「さすが俳優だな・・・」と思います。
〇私も毎日、生徒の食べる30分前に、校長室で検食をしてその記録を検食簿に書いていますが、ある時「これも孤独なグルメかな・・」と思ったことがありました。
〇一人ですのでおしゃべりもせず、よくかんで味わって食べていると、自然と心の中で「これは美味しいな」とか「こういう味付けも面白いな」とかつぶやいています。
〇またNHKの木曜日の夜に放送されている「サラメシ」というドキュメンタリー番組は、昔から好きでよく観ています。番組の副題に「ランチをのぞけば 人生が見えてくる 働くオトナの昼ごはん それが『サラメシ』」とあり、私は食事の内容よりも、登場する働く人の姿やその仕事の苦労ややりがいなどを想像するのが楽しみです。
〇特に私と同じくらいの年齢の方々が何を好んで食べているのかをチェックしたり、若い新入社員などが仕事の緊張を昼食でほぐすのをみたりすると、「人間ってみんな同じだな」とホッとする時が多いです。
〇私たち教職員の「サラメシ」は、生徒と一緒に食べる給食です。ただし給食指導の一環ですので、サラリーマンの昼休みとは少し違います。配膳がスムーズかどうか目配りしたり食べ方によって生徒の心身の体調をチェックしたりしています。
〇確か数年前の「サラメシ」で、東京都の小学校の校長を取り上げた回がありました。先ほどの校長の仕事の検食は、「学校給食法」に明記されていて、生徒が給食を食べる前までに、学校の責任者が事前に喫食し、人体に有害となる異物の混入がないか、調理過程において加熱等が適切に行われているか、食品の異味・異臭等の異常がないか、一食分として量が適当か、味付け・香り・色彩等が適切かを検査するものです。
〇検食を行った時間、検食者の意見等検食の結果を記録しますが、先ほどのようにその日気づいたことなどを一言コメントで書いて栄養教諭に戻しています。
〇書く内容は、大抵は「ごはんとこの主菜、副菜の組み合わせがいいです。」といったようなことで、たまに味付けについての感想も書きますが、調理の素人ですから自分の好みが前面に出ないように気をつけています。
〇ここまで給食の委託業者の努力で、衛生管理の面では問題はありませんので、安心しています。調理員さんになかなか直接お礼を言う機会がないので、感謝の気持ちもこめています。
〇私以外の職員の多くも給食を楽しみにしており、先ほどのように食べることで緊張がほぐれ、また午後の授業を頑張ろうと思うようです。何よりも暖かい給食を食べられることが有難いと感じます。
〇私が教員となった昭和の終わりから数年間は、柏市の中学校で給食はまだ始まっておらず、職員も弁当持参でした。私が自分の弁当が食べ終わるのを見ると、生徒が寄ってきて「先生、これ食べる?」と自分の弁当を分けてくれることもありました。
〇それをきっかけにその弁当を作ってくれた家族の話を聞いたり、その生徒とお互いの食の好みについてよく話したりしたものでした。まだ20歳代の若さでしたので、当時はいくらでも食べられる頃でした。ただ時には食べ過ぎて午後の授業がきつかったこともありました。今思うと、懐かしい思い出です。
〇今日は3年生は中学校最後の給食です。楽しく食べてほしいです。また木曜日ですので、帰宅してから、ちょうど夕食の時間に「サラメシ」を観ようと思います。
須藤昌英
【卒業お祝いメニューと今日の検食簿】
3月5日(水)努力努力(ゆめゆめ)
〇昨日は、千葉県公立高等学校入学者選抜の結果発表がありました。入試には各校ごとの募集定員がありますので、嬉しい結果と残念な結果の生徒が出るのは致し方ありません。ただ言えることは、それぞれ「精一杯取り組み、努力した」という経験は今後、必ず本人にとってプラスにはたらきます。
〇この時期になると思い出す言葉があります。「努力努力」と書いて「ゆめゆめ」と読みます。何となくきれいな読み仮名です。そのことを初めて知った時から、強く印象に残っている漢字です。
〇古い言い回しとして、「ゆめゆめ怠ることなかれ(決して怠ってはいけない)」などは知っていました。後ろに禁止の言葉をつなげて、「決して~するな」の意味で使われていることもあります。しかし「努力努力」という字をあてるとは思っていませんでした。
〇「努力」とは「目の前のことを心を込めて行う」ことですが、この言葉から私の受ける印象は、どちらかというと親や先生から「努力しなさい」と言われてきたこともあり、とても窮屈で強制されるイメージです。教育論でよくテーマとなる「厳しくするか甘やかすか」の中では、大人が子どもを外的にコントロールするにイメージ近いです。
〇同様の意味で私などは「精進」という言葉の方が「自ら(内的コントロール)」のイメージがもてるので前から好んで使ってきました。「精」の字は、「こころ。たましい。気力」の意味がありますので、「1つの事柄に精神を集中する」という「努力」と似た意味と捉えています。
〇こちらは仏教に由来していますが、日本語には仏教から影響を受けた言葉が多く、例えば「挨拶」「玄関」「経営」など普段から生活の中でよく使用されているものは、すべて仏典からきています。
〇まさに学校は生徒たちが「努力(精進)するための場」であり、失敗をしてもその原因を明らかにしながら、次の成長へつなげていくところですので、生徒にはチャレンジする気持ちをもってもらいたいと常々思っています。
〇「努力」の言葉から、アメリカの発明家(蓄音機や白熱電球など)の「トーマス・エジソン」を連想します。幼い頃に伝記を読みましたが、彼は大変な努力家で、新聞を売りながら自分でコツコツと貯金し、自分の実験室を作ったそうです。そのエジソンが「努力」について、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」という言葉を残しています。
〇また相対性理論でノーベル賞を受賞した理論物理学者の「アルベルト・アインシュタイン」にも多くの格言がありますが、その中に「天才とは努力する凡才のことである」というものがあります。天才のように思われがちなアインシュタインですが、実際は努力によって多くのアイデアや真理を見出した人でした。
〇平安時代初期の僧だった空海(真言宗の開祖:別名弘法大師)は、当時の日本におけるケタはずれの天才であり、書の達人、土木技術のエキスパートなどの複数の実績があります。
〇空海についての本を読むと、彼が若い頃に遣唐使として中国に渡り密教について学び、帰国する際に中国人の師匠から、「早く日本に帰って密教を伝えなさい・・・努力努力(ゆめ ゆめ)つとめよ」と言われたそうです。その後日本中で活躍されたことは有名であり、学区にある布施弁天東海寺にもその伝説があります。
〇今の生徒には前のように「努力しなさい」というよりも「自分の好きなことを究めなさい」と言った方がよいと最近は感じるようになりました。
〇好きなことはやっていれば楽しいし、楽しいから夢中になれるし、好きだからそれに熱中できて「努力」が継続できると思うからです。それが本来の「ゆめゆめ」の真意だと感じています。
須藤昌英
3月4日(火)生徒の可能性を最大限に引き出す方法
〇本日の9時に、千葉県公立高等学校入学者選抜の結果が発表されます。ここまで目標に向かって精一杯準備してきた彼らの姿を身近に感じてきたので、「どうか全員に・・・良い結果」と今朝は職員一同で祈っています。
〇グロースマインドセット(成長志向)という概念が、最近注目されています。もともとは企業などで人材を育成していくことを目的としていますが、要するに中学生も同様に、人間の成長を促進する思考パターンのことであり、自分の成長可能性を信じていれば、難しい問題や課題に積極的に取り組んでいけるという考え方です。
〇グロースマインドセットを提唱したキャロル・ドゥエック氏は、社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授です。マインドセットとは、経験・教育・先入観から形成される、心理状態や思考パターンのことを言います。例えば、思い込みや価値観・信念がこれに該当します。思い込みのことを「パラダイム」とも言い、新たな情報や経験によって自身の思い込みに気づき、思い込みが変化することを「パラダイムシフト」と言います。
〇内容はそんなに新しいことではありませんが、わかっていても継続してできないのが現実でしょう。
1.褒め言葉を使って自尊心を高める。
2.失敗をポジティブに捉えるよう促す。
3.継続的な努力が必要であることを理解させる。
4.努力が成功につながることを示すため、適切なフィードバックを提供する。
〇教員となって38年間(小学校3年、中学校35年)、実に多くのそして多彩な児童生徒との出会いがありました。「教えることは教わること」と気づき始めたのは、教員生活をスタートして数年が経過したころでした。
〇「今の教え方で本当にいいのだろうか?」と壁にぶつかった時、目の前の児童生徒が「学ぼうとする姿」をつぶさに観察しました。すると自分の一方的な思いでは何も伝わらないことや、その生徒の姿が新たな手法を私に教えてくれていることを実感しました。
〇3年生はこの3年間を見守ってきましたので、その成長ぶりは常に実感していますが、昨日の3年生を送る会では特に1・2年生の成長ぶりに驚きを超え感動を覚えました。これからの学校はこれまで以上に「成長志向」がキーワードになっていくと思います。
須藤昌英
【昨日の3年生を送る会】