校長雑感ブログ

12月11日(水)私たちのクリスMATHツリー(空間認知能力)

〇今1学年の数学では、空間図形を学習しています。小学校の算数では、まず1学年から身近な立体について観察したり分類したりして、ものの形を次第に抽象化して、図形として捉えられるようにしてきています。その後立体図形の点や線や面などの構成要素に着目したり、立方体・直方体・角柱・円柱・球などの多様なものを取り扱ったり、それらの見取図や展開図をかくことなどを通して立体図形についての理解を深めてきています。例えば家庭から身近な箱(お菓子やティシュペーパーなど)を持ち寄って、好きな形(タワーやロボットなど)をつくって空間意識を育てます。

〇それを踏まえ中学校数学科において1学年ではこれらの学習の上に立って、空間図形についての理解を一層深めていきます。特に数学では空間図形を空間における線や面の一部を組み合わせたものとして扱うという点に留意させます。また図形の性質や関係を直観的に捉え論理的に考察する力を養うために、立体の模型を作りながら考えたり目的に応じてその一部を平面上に表す工夫をしたり、平面上の表現からその立体の性質を読み取ったりするなど、観察や操作,実験などの活動を通して図形を考察することを基本にして学習を進めていきます。

〇展開図は平面図形ですが、それを組み立てることにより立体(空間図形)になります。問題を理解ためには例えば立方体を開いて展開図にしたり、展開図を組み立てて立方体に戻したりと、頭の中でイメージする必要があります。例えば立方体の展開図は全部で11種類あります。昔教えた時に、「へぇ意外と多いな~」と感じる生徒も多かったです。

〇数学担当の宗形教諭は、生徒たちに正多面体の展開図から立体を作成させ、それをクリスマスツリーの飾りとして廊下に展示しました。数学は英語で、Mathematics(略してMath)ですので、クリスMATHツリーとしてかけことばにしています。生徒たちの作成場面を見ていましたがとても楽しそうで、「昔はこんな授業はなかったなあ~」と思いました。

〇私が数学を担当していた時に、特に図形は生徒の好き嫌いが激しく、特に女子の苦手意識が高かったのを覚えています。その一つの要因として、幼少期から男児は積み木やブロックに熱中しやすいのに対し、女児はお絵描きやおままごとを好むことがあります。絵やおままごとセットは現実の生活に近い(具体的)のに対し、積み木やブロックは組み合わせによって何かの形をつくって(想像・創造)いくので、より抽象的な概念を必要とすることが考えられます。

〇根拠はわかりませんが、男性脳はデータなどの根拠を元に論理的に考えがちで、一方の女性脳はその場の感情や共感性を重視する…といったことを聞いたことがあります。身近では空間認知能力が高い男性の方が女性よりも地図を読める場合が多いです。最近の車はナビゲーションがありますが、昔は地図本を見て運転していましたので、男女の差があった気がします。

〇ただしこれはあくまでも一般的な話であり、近年では「理系女子(リケジョ)」も多くなっていますし、先日の1年校外学習で行った国立科学博物館に、いかにも研究者のようなオーラのある女性が多くいたことも印象に残っています。

〇ともかくこのクリスMATHツリーは、クリスマスという現実の生活と多面体という抽象物がコラボしています。年末が近づいていることを感じます。

須藤昌英