校長雑感ブログ

12月5日(木)「やさしい心が一番だよ」人権に関する講演会

〇昨日の午後は体育館で、柏人権擁護委員協議会主催の講演会を開きました。講師は、「いじめ問題の解決に取り組むNPO法人ジェントルハートプロジェクト」の理事である小森美登里さんで、全校生徒を対象に「やさしい心が一番だよ」と題して話をしていただきました。

〇小森さんは今から27年前、当時高校一年生だった一人娘の香澄さんをなくしました。いじめを苦にした自死でした。「娘と同じように苦しみそれによって家族などが悲しい思いをこれからは決してしてほしくない」という願いから、ご夫婦でNPO法人を起ち上げ、全国の学校を講演してまわっていらっしゃいます。著書も数冊あります。

〇私は前任校でも講演していただいたので、数年ぶりにお会いしました。講演前の校長室でいろいろお話をさせていただきましたが、今月も新書「いじめに対する大人の誤解―スクール虐待の現実―(新日本出版社)」を出版されるので、出版記念のトークイベントがあるなど、お忙しいそうでした。「娘も存命ならば、42歳になっています。今日も心を込めて生徒さんたちにお話しさせていただきます」とおっしゃっていました。

〇生徒たちは真剣に話に耳を傾けていました。特に「被害者責任論」と言われるものは決して容認されてはならないというお話が印象的でした。もしいじめを受けた被害者からの相談を受けた際、「あなたの方にも原因があったのでは?」「あなたから止めてほしいって言ったの?」「もっとあなたも強くならないとね!」などは禁句です。やはり「つらかったでしょう。もう大丈夫だよ」の言葉がけが何よりも大切です。その他、お子様から心に残っている話を聞き出してみてください。

〇講演後、「世界に一つだけの花(作詞・作曲 槇原敬之)」の一番だけを歌詞の意味を考えながら全員で聴きました。

花屋の店先に並んだ

いろんな花を見ていた

ひとそれぞれ好みはあるけど

どれもみんなきれいだね

この中で誰が一番だなんて

争うこともしないで

バケツの中誇らしげに

しゃんと胸を張っている

それなのに僕ら人間は

どうしてこうも比べたがる

一人一人違うのにその中で

一番になりたがる

そうさ 僕らは

世界に一つだけの花

一人一人違う種を持つ

その花を咲かせることだけに

一生懸命になればいい

〇最後に、小森さんの詩を山中教諭が朗読して終わりました。

「生まれてきてくれてありがとう~この詩を香澄へ、そしてすべての子どもたちへ贈ります~(小森美登里)」

ありがとう 生まれてきてくれて

ありがとう 病気をした時 いっぱいいっぱい心配させてくれて

ありがとう 多くの出逢いをプレゼントしてくれて

      そして 楽しい思い出 一杯くれて

ありがとう 生きる意味を考えるチャンスをくれて

      そして全ての命がいとおしいと感じさせてくれて

ありがとう お父さんとお母さんと出逢ったこと

      間違いじゃないって気付かせてくれて

ありがとう こんな私に子育てさせてくれて

      あなたをこんなに愛させてくれて

ありがとう 教室の中の子どもたちの苦しさ悲しさ

      いっぱい教えてくれて

ありがとう 「やさしい心が一番大切だよ」の言葉を

      残していってくれて

      そして、この言葉を伝える人生をくれて

ありがとう 15年と7カ月私と生きてくれ

      いつか逢える楽しみをくれて

      お母さん、それまで頑張って生きるよ

ありがとう ありがとう ありがとう

      言い尽くせない たくさんのありがとう

      でもごめんね 守りきれなくて

ありがとう ありがとう ありがとう

      全ての子どもたちへ 

生まれてきてくれてありがとう!

〇演題の「やさしい心が一番だよ」は、生前の娘さんが小森さんに何度かつぶやいた言葉だそうです。子どもも大人もかみしめていきたいものです。

須藤昌英