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12月13日(金)「2学期いじめの状況調査」より
〇先日、全校生徒を対象とした「いじめ」を把握するためのアンケートを行いました。通常学校がいじめを認知するのは、「本人からの相談、他の生徒からの情報、職員による観察、保護者や地域の方々からの情報」となっていますが、定期的にアンケートによる状況把握を行っています。
〇そもそも「いじめとは、日常的なトラブルでも、本人が『いじめられた』『不快な思いがした』などと感じるものをすべて」と定義されており、生徒も職員もそれを意識しています。いじめが発覚すると必ず複数の教員で、本人及び関係生徒から事情を聴きとり、今後の謝罪や人間関係の再構築ついての話し合いを行いました。
〇集計した2学期の認知件数は5件で、その内訳は「冷やかしやからかいを受けた」「無視された」「悪口・陰口を言われた」「勝手にシールを貼られた」となっており、最初の「冷やかしやからかい」が毎回の調査では一番多くなります。それぞれの案件で、職員がまず事実の確認を行います。
〇1学期の認知件数は8件でしたが、例年ですと1学期は進学や進級などで新しいクラスになったり、各学年とも旅行的行事があったりと、まだ人間関係が不安定な面があり、多くなる傾向にあります。ただ柏市では、「いじめが解消した」とする条件の1つが、「発生から3カ月以上当該生徒の関係の中で継続したいじめはない」となっていますので、先ほどの5件の場合も、これから3カ月間は経過観察を行います。安易に謝罪などをもって「解消」としないこととなっています。やはり人の心の中までは見えませんので、時間が必要です。
〇ひと昔前のように、二人で喧嘩しても「喧嘩両成敗」とはいかず、お互いがそれぞれ嫌な思いを抱くと、それはすべて「いじめ」とカウント(2件)しますので、簡単にその場で相手に謝って終わりとできないところが、正直難しいところです。ただ大人も含めて生きていく上で一番の悩みは「人間関係」ですので、「こうすればいじめはなくなる」のような究極の方法はなく、丁寧に対応していくしかありません。
〇いじめに対しての対応は、「柏市いじめ防止基本方針」にも示されているように、早期発見と早期対応、学校組織内の情報共有、必要な指導・措置ですが、いじめのアンケートはその一つの入り口になります。いじめの未然防止も重要なのは言うまでもありませんが、こちらは、道徳教育を充実させたり人権意識を高めたりする地道な取り組みしかありません。
〇要するに最後は生徒の想像力を引き出すしかありません。「〇〇をしてしまったけど、された方の気持ちはどうなんだろう?」「●●と言ってしまったけど言われた方の今の気持ちは?」など、だれもが意地悪をする側と意地悪をされた側の両方の経験をしているはずですので、「今の自分はどちらの立場が多いか?」と自分をメタ認知できるようになってほしいです。
〇いじめアンケートの中に「普段の生活で困ったことや悩んでいることはありますか」の項目を故意的に設けています。これはいじめではないけれど、その他の相談もしやすいようにとの配慮からです。その中に、「親子や兄弟姉妹関係について」 「クラスの雰囲気について」「受験する高校について」「塾での人間関係について」「自分自身の身体や性格について」などがあります。それらについても一つひとつ話を聞くなど丁寧に対応しています。
須藤昌英
【いじめ防止啓発カード(千葉県教育委員会)】