R7_富勢中日記

3月11日(火)令和6年度第78回卒業証書授与式

〇卒業式の朝を迎えました。雨も何とか降らずにすみそうなので安心しています。卒業生は3年前の入学式からその成長ぶりを目の当たりにしてきましたので、昨晩はいろいろと思い出がよみがえり、寝つきが悪く、今朝も3時に目が覚めてしまいました。

〇私でさえそうですから、担任や学年職員はもっと高揚した気持ちで朝を迎えただろうと思います。私も過去に丁度10回、担任として卒業生を送り出してきたので、その時の気持ちは忘れることはありません。昨日の準備をさらに確認し、開式の時間を迎えます。

〇式次第中での校長の役割は、「証書授与」「式辞」「記念品贈呈」「答辞」とありますが、特に「式辞」は昨年末から何度も書いては修正してきました。最終原稿となり、冒頭では3年前の入学式の式辞の一部を引用しました。

〇丁度3年前は、ロシアのウクライナ侵攻が始まったばかりでしたので、中学校1年生には少し難しいかなとも懸念しました。しかし生徒たちには世界へも目を向けてほしいとの願いから、あえて盛り込んだのでした。紹介します。

「今、毎日のように、ウクライナへのロシアによる軍事侵攻のニュースが流れ、平和な暮らしが一瞬して奪われたり、多くの人がお亡くなりになったりしています。確かに遠い国のことなのであり、実感としてその悲惨さはわかりにくいですが、過去にはもともと同じ国であり、しかも今は隣合わせの国が争っている状況を、決して私たちは『傍観者』でいてはいけないと思います。

私も含めた大人の多くも、この戦争の歴史的背景や現状について、分からないことが多いのです。『どうしてこうなってしまうのだろう』と毎日頭を抱えるほどです。ただ、大切なことは、この現実から目をそらさずに、情報を整理し、『自分ならどうするか?』といつも考え続けることだと思います。でもそれは『正解』ではありません。他の人は『異なる考え』をもっています。だから、お互いに話し合い、相手を理解し、一緒に何ができるかを模索していきましょう。ともかく同じ人間として、一日でもはやく紛争がおさまり、亡くなった人を弔い、生きている人が希望をもてるよう祈らずにはいられません。

毎日学校で友達と会えること、好きな学習やスポーツができること、おいしい給食が食べられること等なんでも『当たり前』ではなく、現在平和が保たれている日本という国に生まれたからなのです。そういう視点で物事を見て、できることに感謝して日々を過ごしていると、やがて『自分たちだけが幸せであればいい』ではなく、『世界の平和に自分として何ができるのか』を考えられる人になれます。」

〇年に二回(卒業式と入学式)しか着ない、モーニングコートにこれから着替えようと思います。

須藤昌英