校長雑感ブログ

4月19日(水)朝の10分間読書活動&正規日課開始

〇朝の10分間、生徒は静かに自分で選んだ本と向き合い読書を行っています。これは2つのソウゾウ力(想像力・創造力)を養っています。想像力(イマジネーション)により、実際に見聞していないことについて考えを巡らすことで、創造力(クリエーション)につながり、独自の方法で新しい何かを創り出せる大人になっていきます。

〇日本人はかつて世界有数の「本を読む国民」でした。しかし昨今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、人間性を育てるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 〇昨日までは臨時日課でしたが、今日より正規日課となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいました。特に1年生は、50分授業6コマを受けることには不慣れで、しばらくは大変かもしれません。まだ中学生の体力はないので、睡眠時間の確保や栄養補給などに気を配ってあげてください。

【21 世紀の社会が求める学力を身につけるために】

・生徒は体験(経験)から学びますので、授業中もできるだけチャレンジするチャンスを増やしてあげたいです。各教科のいろいろなテーマについて、自分で考えをもち、友達の考えもきいてみる。その際に「どっちがいいんだろうか」のような話し合いをすることが一つの体験になります。またその中で、「そこのところがわからない」や「もう一度言ってほしい」などと言い合いながら、お互いの表現を引き出していくようなコミュニケーションを通し、「みんなで考えたら、最初はあまりわからなかったけれど、最後はなんとなくわかってきた」という実感を、一人ひとりの生徒に持ってもらいたいと思います。また伝え合いの内容も「ぼくはこういう風に言うのがいいと思う」とか「わたしだったらこう言うなあ」というように、一人ひとりの理解が自分の言葉になっていくことで、クラス全体の学習レベルも上がっていきます。

・人間は元来、「他人と自分の違いを活かして他人から学ぶ」「自分の考えていることを他人に説明してみて自分の考えを変えていく」、そういう力を持っています。人がもともと持っている学びの力とはどんな環境によって引き出されるのか、それを考えるのが「学習科学」と呼ばれる分野です。そこでは特に人間は基本的に、自身の体験したことをまとめて自分なりのものの見方や経験則をつくり,そこに他人に教わったことなども取り込みながらさらにその経験則をしっかりさせて、色んな問題を解けるようになっていく、つまり自分なりのわかり方の質を上げるというかたちで賢くなっていくと言われます。

・自分の経験則と教科書などに書いてある原理原則をつなぐために、お互いが自分の考えを外に出して確認しながら、一人ひとりが学び、考えを見直し、より良くしていく。グループでも学習しますが、グループ全体で答えを出せればいいのではなくて、最後は一人ひとりが学んでいく。そういう学習のことを、総称として「協調学習」と言いますが、従来の「講義型学習」の限界を突破するには、これしかないと私は考えています。

須藤昌英