校長雑感ブログ

4月24日(月)地域部活動への移行について

〇これまで行われてきた学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツや音楽の振興を大きく支えてきました。また体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図りつつ、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場・活躍の場として、教育的意義を有しています。

〇私も教員1年目から野球部の顧問として、朝の練習では7時から1時間、放課後の練習では完全下校時刻までの2~3時間、生徒につきっきりで指導していました。休養日などはほとんど設けず、土・日曜日は自校や他校へ出向いての練習試合を組んでいました。当然のことながら、授業準備などは平日は夜の9~10時、休日も練習試合が終わってから夕方6~7時くらいまで行わざるを得ませんでした。

〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。

〇今月12日、教育委員会からの文書で、地域移行後の部活動の運用について、8月に体験会を実施し、9月から開始する予定であること、移行対象の部活動については、9月以降は平日のみの活動となり、土日祝日の活動は原則実施しないことなどをお知らせしました。ただし、地域クラブへの参加は任意となりますので,部活動加入者に対し,参加が強制されることはありません。

〇また先週の金曜日には、柏市の中学校1年生から中学校2年生の全生徒を対象とした「部活動の地域移行に関するアンケート調査」を配付しました。これは柏市における地域クラブの運用団体である一般社団法人柏スポーツ文化推進協会(KSCA)と柏市教育委員会が協同で参加希望生徒数等の一次調査を実施し,活動場所の確保と参加登録手続きが円滑に行われるよう準備することを目的としたものです。

【一般社団法人柏スポーツ文化推進協会(KSCA)のHPより】

<柏スポーツ文化推進協会 設立趣旨>

生徒たちは日々の部活動でスポーツや文化活動に情熱を注ぎ、柏市内の部活においても県内だけでなく、全国でも屈指の成果をあげ、部活動が生徒の中学校生活の重要な一部となっています。しかし今、中学校での部活動の在り方が全国各地で問われています。運動部・文化部を問わず教員の「超過勤務」や生徒の「バランスの悪い休養日の設定」、顧問の未経験の種目を担当することによる「不適切な指導やけがの発生」など、山積する課題の中で望ましい部活動の在り方、教員の働き方を整備する必要が課題となっています。

一方、今学校では、変化の激しく予測不可能な未来社会を生きる子どもたちに「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が求められており、先生方は教材研究や学習評価の改善・充実が求められています。

本来、先生方の本務は授業であり質の高い授業力が求められ、そのためには授業の準備等に十分な時間が必要です。そのような中で、柏市内の学校教職員は部活動の運営や指導にも熱心に取り組んでいただいております。

このような状況の中、教員・保護者・地域にとって「誇れる学校」になるには、どうすればよいのか。これを実現するために私たちにできること、それは「地域と学校の協働活動」だと考えます。平成29年3月社会教育法の改正により、地域全体で未来を担う子供たちの成長を支える活動である「地域学校協働活動」が法律に位置付けられました。

私たちは今後、この地域のもつ様々な力を有効活用し、学校と地域が一体となり未来を担う子供たちの成長を支えていきたいと考え、一般社団法人 柏スポーツ文化推進協会(以下、KSCAと表記します)の設立をいたします。

<KSCAの活動>

1「文武両道」の学校である柏市内中学校の文化スポーツの推進に協力する。

2本クラブを中心とした文化スポーツ活動の充実に協力する。

3指導経験豊かな指導者によるクラブ活動(教室)や保護者・地域ボランティアによるクラブ活動を本クラブとして運営する。

4地域の方々・企業等と本クラブの相互理解・協力のもと本クラブサポートと共に地域貢献活動を推進する。

〇一次調査の集約後,KSCA ホームページにてクラブ運営の詳細をお伝えするそうです。また保護者からの問い合わせに関しては,KSCA にメールにて直接御連絡いただくことになっています。本校といたしましても市の方針を受け、まだまだ多くの調整を必要とする懸案はありますが、教育委員会と連携して対応してまいります。

須藤昌英