校長雑感ブログ

3月12日(火)卒業式を振り返って2(PTA会長の祝辞)

〇卒業式では、神永幸博PTA会長にご祝辞をいただきました。その内容が素晴らしかったので、その一部を紹介させていただきます。

「(略)さて、この一年、ようやく皆さんの笑顔の機会も日々増えてきたことかと思います。しかしながら、この三年間は思春期を迎えた君たちにとって、大きなインパクトであったと思います。他人と協力して何かを成し遂げることが出来なかったり、人と接することが苦手だったりする人も少なくないのではないでしょうか。一人でいると、思考が内向きになり、何かと執着心が強くなりがちです。執着心は時には成功や富を掴み取る際に、大きな力を発揮します。しかし強すぎる執着心は、自己中心的になりがちで、周りの人に対して攻撃的になってしまいます。ではそんな時どうするか?カギは『許すこと』です。人は人間社会において、人を許さずには生きていけません。人は誰かを許し、誰かに許されて生きているのです。言い換えれば、『生きる』とは『許す』ことです。とは言え、私たちは人間ですから、時には憤り、どうしても許せなかったりすることもあります。こんな負の感情を抱いていては、幸せになれないと分かっていても、それを抑えられない時もあるかと思います。それでも今、私たちは生きています。つまり私たちは、無意識の内に誰かを許すことが出来ているということです。どうかそんな自分の優しさに気づいてください。そしてそれは、周りの人の優しさに気づくことにも繋がります。忘れそうになったら、何か一つ、意識的に誰かの何かを許してあげてみてください。意識して自分の何かを許してあげてみてください。心が少し楽になることもあるでしょう。そして意識して何かを許すことが出来た心は、前より少しだけ強くなっているはずです。自分が今生きているのは、誰かを許し、そして誰かに許されている証だということ、そして君たちは、無意識にでもそれが出来ているということを覚えていてもらえたら幸いです。(略)」

〇考えさせられつつ、心に染み入るお話でした。「生きることは許すこと」、生徒にとってもこの上ない餞(はなむけ)の言葉となったことでしょう。ありがとうございました。

須藤昌英