R7_富勢中日記

3月12日(水)2つの「旅立ちの日に」

〇雨のしっとりした朝で、出勤するとどことなく昨日の余韻が学校の中に残っているのを感じました。校庭の梅もまだ咲いていたり職員玄関には式の壇上にあった大きな花を移していたりと良い香りが漂っています。

〇昨日の令和6年度第78回卒業証書授与式は、予定通り2時間で実施されました。天候にも恵まれ、式と学級でのお別れ終了後も、昼過ぎまで校庭などで友人と別れを惜しむ姿がありました。

〇職員反省会では3学年主任から「在校生が何人も泣いてくれて、それを見て卒業生はさらに涙腺が緩んでいました。後輩に泣いてもらえる卒業生になったことを嬉しく思います。」との報告がありました。

〇卒業証書授与の際には、私から一人ひとりに声をかけました。それぞれ三年間の一場面が想起され、嬉しそうに笑う生徒、恥ずかしそうに伏目がちな生徒など様々でした。あまりお見せするものでもありませんが、私の手元には、事前に自分で作成しておいた「声掛け一覧」を置いておきました。

〇今年の歌は、君が代と校歌の他に、2つの「旅立ちの日に」を生徒が合唱しました。同じ曲名ですが、別物です。毎年候補曲の中から、生徒たちの意見によって選びますが、それがたまたま同じ曲名になったのです。

〇1曲目の『旅立ちの日に』は、1991年に埼玉県の中学校の教員によって作られた合唱曲です。当時の校長が荒れていた中学校を矯正するため「歌声の響く学校」にすることを目指し、合唱の機会を増やしつつ、音楽科教諭と共に粘り強く取り組んで結果、歌う楽しさによって中学校の雰囲気は明るくなったことのエピソードは有名です。今では伝統的な卒業ソングです。

〇2曲目の『旅立ちの日に』は、シンガーソングライターの川嶋あいさんが作詞・作曲し、2006年にリリースされました。比較的新しい曲ですが、現在では定番の卒業ソングとなっています。学校の風景を詳しく描写した詩やハートフルな旋律が優しいハーモニーでつながれたところが、いつまでも続いていく友情をイメージさせますので、中学生にはピッタリです。

〇共通点はどちらもしっとりとしたバラード(語り物的な歌)で、成長した卒業生の声によって、素晴らしい合唱でした。女子生徒ももちろんですが、特に男子生徒の重低音が体育館に響き渡っていました。2年生も感動したようです。

〇昨日の夕方、すべての後片づけが終わった後に、校長室で卒業式を撮影したビデオを視聴していましたが、2つの「旅立ちの日に」を聞いている時間がとても幸せでした。卒業生の今後の活躍を祈念します。

須藤昌英