R7_富勢中日記

1月21日(火)大寒とトランプ氏アメリカ大統領就任

〇昨日、歴史的に日本の権力者(政治のリーダー)は、災害の後に大きく変化するという養老孟司氏の言葉を伝えましたが、折しも今朝未明にアメリカでは、第二次トランプ政権がスタートしました。

〇ある調査によると、約1割の日本企業で「プラスの影響(株価の上昇や円高への転換を期待する声)」を見込んでいる一方で、「マイナスの影響(関税を上げて輸出がしにくくなるや防衛費の負担増による産業界への予算縮小など)」を見込む企業は4割を超え、「分からない」とみる企業も4割近くあるそうです。もちろん「就任後でなければ予測が付かない」「良い悪いどちらに転ぶか現時点では分からない」といった先行きに対する不確実性への警戒感を表す声も複数あります。いずれにせよ多くの企業で第2次トランプ政権に対して不透明感を持っていることがわかります。今後の日本政府の対応に注目していくことが必要です。

〇このように国レベルの影響もありますが、人レベルの影響も考えます。日本人の相手への気遣い(別の見方では忖度)はこの国の文化や風土の根底をつくっていますが、その対極にある個人及び自国第一主義のリーダーの発言は、大人の私でも「そんなことまで真顔で言うのか」「どこまでが本音だか見当がつかない」と啞然にとられることも多いです。

〇さて中学生にとって、トランプ氏はどう見えるのでしょうか?そもそも「アメリカの大統領なんか興味がない」という生徒もいるでしょうが、少なくとも卒業時くらいまでには、いろいろな社会情勢にも自分の意見をもってもらいたいです。

〇始業式の中で、「言動の一致(言っていることとやっていることに矛盾がない)ができている人は、社会の中で信頼されます」と生徒たちには話しましたが、決して昔の古臭いことではないと思っています。

〇トランプ氏のいろいろな発言もそれが「本気なのか?脅しなのか?」を見極めることは難しいかもしれませんが、少なくとも日本人があまり考えない発想を客観的にこちらが学ぶことはできると思います。一度ご家庭でも生徒と話題にしてみてください。

〇日本の二十四節気は、立春、立夏、立秋、立冬など4つの季節を表す言葉の他、春分、夏至、秋分、冬至などが良く知られています。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたので、4×6の「節気(せっき)」があるようです。私も一昨年「還暦」を迎えるにあたり、日本にあるそのような数学的な規則性をいろいろと調べました。そのように身の回りには算数・数学に関わることが多くあります。

〇昨日はその二十四節気の一つである「大寒」で、一年でいちばん寒さが厳しくなるころとされます。私は普段は飲酒の習慣はありませんが、さすがにお正月はお客様などと一緒にお酒をいただくことが多かったです。特に日本酒に詳しい方から、日本酒は「寒仕込み」のものが美味しいということをよく聞きます。「寒造り」とも呼び、冬場の寒い時期に仕込むのが、日本酒伝統の製法らしいのです。

〇「なぜ、冬場に仕込むのか?」を少し調べてみると、まずは原料である新米が秋に収穫されることや寒い時期だと雑菌が繁殖しにくいことがあげられるそうです。また日本酒の仕込みは、温度管理がとても重要で、低温だと余計な雑菌の繁殖を抑え、お酒をつくる微生物が、よい働きをしてくれる(もろみをゆっくりと時間をかけて発酵させる)ことを初めて知りました。そういう知識があると、今度飲むときには、違った味わいになるかもしれません。

〇また「大寒」前後には、武道では「寒稽古」、神事では「寒中水泳」などをして自分の心身を鍛えることは昔からの風習のようです。あえて厳しい条件で自分を磨くことは、自分の可能性を伸ばすことになるということでしょう。

〇受験生は毎日、体調を整えつつ目前の入試に全力で取り組んでいます。確かにこの寒い時期にある受験は大変ですが、この経験は必ず後で役にたってきます。無事に実力を発揮することを願っています。

須藤昌英