校長雑感ブログ

2月20日(月)富勢地域の医療拠点

〇先週、年1回の人間ドックを受診してきました。10年以上前から学区内の柏市立柏病院で行っていますので、朝出勤し、自転車で向かいました。コロナは少し落ち着いたとはいえ、待合室には大勢の方が診療を待っていました。病院には、今年度も数回、生徒が校内外で怪我をした際、緊急で受け入れてもらうなどお世話になっています。

〇生徒たちの前にたつ教職員には、学校保健法第十五条で、「職員の健康診断」として、「学校の設置者(柏市)は、毎学年定期に、学校の職員の健康診断を行わなければならない」と定められています。未来ある生徒たちに、万が一でも影響がある病気を保持していないようにチェックし、さらにはエネルギーに満ち溢れている生徒たちに寄り添うための健康を保つことが必要です。

〇私が教育委員会事務局でコロナ対応をする中で、「子どもの学びを止めない」ことを目的として、市内の教職員に、優先的にワクチン接種をすることを企画しました。実際にどうやっていくかと思案した結果、柏市立柏病院長の野坂先生にお願いし、複数の医師と看護師を派遣していただいたことは、今でも大変有難かったと思っています。

〇ドックを受診中に、病院の広報誌「かし和」が廊下にあったので、何気なく手にとると、冒頭に「やっかいないこと」と題して野坂病院長の話がありました。同地域で、一つの施設・学校を預からせていただいている身として、自分の考えと似ていて共感したり大変参考になったりしましたので、一部を引用させてもらいます。

「昨年9月ころからコロナの規制が徐々に解除され、比較的自由な雰囲気を味わえる新年でした。昨年はコロナの流行に加え、ロシアのウクライナ侵攻で気の重い年になりました。私が子どものころ、アメリカ・ソ連の冷戦で核戦争の懸念はありましたが、まさか人類全体が破滅するような馬鹿なことは起きないだろうと、楽観的な雰囲気でした。そしてこのまま科学が進み21世紀になれば、戦争や飢餓はなくなり、世界全体が平和で豊かになるのではと無邪気に考えていました。(略)しかしその後も戦争や紛争がなくならないことを見ると、争いごとは人間社会から容易に消えない厄介なことのようです。平和への絶え間ない努力で、戦争の発生や拡大が何とか抑えられるかどうかというものなのでしょう。さらに社会の中には、混乱や紛争を利用する人たちもいます。私たち個人個人にできることは限られていますが、単純明快で心地よい発言者には十分な注意が必要です。」と現状を分析しています。

〇さらに専門の医療に関しても、

「感染症に関しても、科学が発達したら薬で治るだろう、怖い感染症は世界からなくなるのだろうと子どものころは思っていました。その後さまざまな薬が作られましたが、感染症は依然人類の大きな脅威です。季節性インフルエンザだって馬鹿にできません。新型コロナ流行前、日本でも年間数千人以上が季節性インフルエンザで亡くなっていました。子供も感染で亡くなるのは、インフルエンザの怖い点です。今後新型インフルエンザが出現すると、だれも免疫を持っていないため、今回のコロナと同様世界的なパンデミックを引き起こす可能性があります。戦争も感染症もいつでもどこでも起きるのだと肝に銘じ、不断の警戒が大切です。」と書かれていました。

〇以前から病院を建て替える計画がありましたが、前市長が一旦計画を白紙に戻してから、その後は大きな進展はありません。地元としては「現地建て替え」を強く要望しており、今後の推移を見守るしかありませんが、富勢地域の大切な医療拠点であることは確かです。

〇人間ドックの結果は加齢による身体機能の低下以外に、大きな欠陥はなく、ホッとしました。人間の身体も体育館の長寿命化工事のように部品を新しくできればいいのですが、そういうわけにもいかないので、今の身体を大切にしていくしかありません。

須藤昌英