校長雑感ブログ

12月12日(木)地方自治への関心(柏市の教育施策と予算)

〇3年生が社会科(公民)で「三権分立」を学習していますが、日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。

〇国よりも我々にもっと身近な都道府県や市町村などの地方公共団体は、大きく2つの組織から成り立っています。一つは「議決機関(地方議会:条例の制定や予算の決定などを行う)」、もう一つは「執行機関(市長と市役所:予算に基づきそれぞれ担任する事務を行う)」です。簡単に言うと、前者は後者のやっていることをチェックする機能を果たしているということです。

〇現在令和6年度第4回柏市議会定例会(一般質問:12月5日~12日)が開会中です。その様子は市役所7階の議場に行かなくても、インターネットで視聴することができます。柏市には36名の市議会議員が市民からの負託を受けており、柏市議会定例会は年4回(3月、6月、9月、12月)開催しています。

〇その議員の中には、私の小学校時代のクラス担任や中学校のクラスメイトもいます。以前は関心が薄くその存在も遠くに感じていた市議会も、知り合いがいると柏市に関するいろいろな情報が入りますので身近に感じます。逆に今は本校の卒業生でもある上橋しほと議員には、学校行事や生徒のボランティア活動に積極的に参加していただいており、その様子を柏市の各担当部局に伝えてもらっています。

〇市議会の前に市役所の各部へは、事前に質問する各議員から質問事項が通告され、それに対して各担当が答弁書を作成します。私も教育委員会事務局に勤務している時は、いろいろな答弁書を作成していました。前述のように、市議会は市役所業務のチェックをするのが役割ですので、答弁書には誠実に、各業務の進捗状況や今後の方向性を盛り込みます。国会での答弁も同様ですが、質問が多い際には、期限日の夜中までかかって作成しています。

〇今回の定例会でも、多くの議員が、教育に関する質問をしています。その一部が、「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針と柏市教育大綱、小中一貫教育と義務教育学校、ICT教育とタブレット端末活用、学校での感染症対策、自転車のヘルメット着用と交通安全対策、子どもの権利条約と柏市子ども・若者総合支援センター、特別な支援を要する児童生徒、不登校児童生徒支援、学校施設開放と部活動地域移行、コミュニティースクール、子どものネット依存、子どもの運動能力、いじめ対策、学校給食と給食センター、給付制奨学金、教員不足と働き方改革、市立柏高校、公立夜間中学」など多様です。

〇いかがでしょうか?私たちがあまり意識していない裏で、これだけ教育に関する施策や予算などが議論され、その結果として学校の教育活動を下支えしてもらっているのです。先日終了した本校の体育館空調機設置工事などもすべて、昨年度までの市議会で予算案の承認を受けています。

〇大切なことはその建設費も含めてすべての教育予算は、もともと市民の税金があてられているということです。また毎日の電気・水道も市の予算があるからこそ使用できるのです。生徒たちにもその仕組みを教えていくことは大切であり、公民の授業でも扱っていると思いますが、再来週の終業式に私から話をしてみようかなと思います。

須藤昌英