校長雑感ブログ

4月21日(金)ネットモラル授業(1学年)

〇世の中は便利さを追求し、コンビニでは何時でも欲しいものがすぐに手に入り、わからないことは手元のスマホで検索すれば、何でもそれなりの情報が得られるようになっています。

〇中学生たちは生まれながらに今の状態が「当たり前」であるからこそ、そういう環境の中で、気をつけなければならないことや周囲への配慮などを教えていかなければなりません。

〇昨日、柏市少年補導センターから講師を招いて、新入生にネットモラル授業を行いました。その中から特に、「インターネットの特性・特徴」について、抜粋しました。まずはプラス面とマイナス面を理解しておくことが、トラブル回避の基本だと思います。

容易性

①書き込みが容易→誰でも簡単に書き込みやメッセージの発信ができる。

②画像や動画の撮影、加工が容易→デジタルデータは複製や加工・合成が簡単にできる。送受信や配信も簡単にできる。

③サービス利用時の登録が容易→各種サービスを利用する際の個人情報の登録やアカウント設定が簡単にできる。

匿名性信憑性 

①匿名で情報発信できる→SNSや掲示板は、匿名(偽名・ハンドルネームなど)で利用できる。

②情報の真偽が不確か→意図的に悪質な情報や根拠のない情報が流布されることがある。

③匿名であっても特定できる→IPアドレスやログから発信者の特定ができる。

※完全な匿名はあり得ない。※特定に時間がかかる場合には、被害者の精神的負担が大きい。

公開性拡散性

①世界中に公開され、誰でも閲覧できる(される)→発信した情報(文字・画像・動画)は誰からでも見られる可能性がある。閉ざされた環境(非公開設定など)でも複製・転載され、公開される可能性がある。

②短期間で状況が変化する→大量情報(文字・画像・動画)が短期間に拡散され、状況が変化する。

記録性 

①削除依頼への対応可否→情報発信者やサイト管理者が特定できない場合や削除依頼に応じない場合には、被害回復が困難となる。

②半永久的な記録として残る→削除されない情報は、半永久的に掲載され続け、被害回復が困難となる。デジタルデータは複製が可能なので、一度削除されたものが、再度転載される可能性がある。

流出性 

①ウィルス感染や個人情報流出→インターネットに接続しただけで、端末に侵入されることや情報を抜き取られてしまうことがある。ウィルスに感染すると被害が拡大する可能性がある。

依存性

①オンラインゲームではお金と時間をかけるとゲーム内のキャラクターが着実に強化される。

②チームでプレイし、途中での離脱が難しい(社会人は、仕事を終えてからゲームに参加する)。

③アバターで別の自分(人格、なりたい自分)になることができ、チーム内で重要な地位が与えられ、ステージをクリアすると英雄扱いされ、達成感を得られる。

④ ゲームに終わりがない(次のステージが用意されている)。

〇大人が「子どもにスマホを持たせることは、ナイフを持たせることと同じ」という認識をもつことが大切です。ナイフは料理をする際、野菜や肉を切るなどとても重宝な道具です。またナイフでなくても、ハサミなどは学校生活の中で常用しています。しかし便利な反面、その取り扱いには細心の注意が必要なことは言うまでもありません。

〇スマホも現代人にとって便利さにおいては、上に書いたように右に出るものがないくらいです。しかしこれも使い方によっては、メッセージアプリなどで人を傷つける言葉を相手の心情など考えずに送り付けたり、極端な例ですが、強盗殺人事件の指示役が、外国からSNSで遠隔操作をしていたりと、悪用することも可能です。もちろん今生徒たちがそのような使い方をしていないことは信じていますが、大人のケースも含め最悪の事態をあえて知らせておくことは、一定の意義があると思います。

〇ご家庭でも継続的に話し合っていただきたいと思います。

須藤昌英