校長雑感ブログ

12月4日(水)職業人から学ぶ「企業来校型交流授業」(2学年)

〇昨日の5.6時間目に、一般企業7社の方々に来校していただき、「働くこと」への理解を深める交流授業を行いました。一つの授業(30分程度)を3ローテーションして行い、司会・運営・企業の方への挨拶等は全て生徒に行わせました。

〇ご協力をいただいた企業は、

1.みどり産業株式会社 様

2.東部重工業株式会社 様

3.ロマン産業株式会社 様

4.日新火災海上保険株式会社 様

5.(株)富士エコー 様

6.JAL Agriport株式会社 様

7.社会医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院 様

〇激しく変化を続ける現代社会で、4~6年後に2学年の生徒たちは成人(18歳または20歳)となります。その時にはどんな職業で社会に貢献していくかのイメージをもっていることが不可欠です。自己の生き方を考えるようにするために、職業や自己の将来について考えるともに、その前提となる自己肯定感・自己有用感を育てることを、学校はすべての教育活動で目指しています。

〇学校で実施するキャリア教育は、あらゆることを他人事ではなく自分との関わりとして大切にする自我関与や物事を多角的・多面的にみる力を養うことなどをねらいとし、家庭、学校、及び地域における学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動です。

〇ただ社会環境の変化に加え、産業・経済の構造的変化、雇用の多様化・流動化等は、生徒たち自らの将来のとらえ方にも大きな変化をもたらしています。特に生徒たちは自分の将来を考えるのに役立つ理想とする大人のモデルが見付けにくく、自らの将来に向けて希望ある夢を描くことも容易ではなくなってきています。さらに彼らの心身の発達も以前から変化し、例えば一般的に身体的には早熟傾向にありますが、精神的・社会的側面の発達はそれに伴っておらず遅れがちであるなど、全人的発達がバランス良く促進されにくくなっています。

〇そこへコロナの影響もあり、具体的には人間関係をうまく築くことができない、自分で意思決定できない、自己肯定感をもてない、将来に希望をもつことができないといった生徒の増加などが指摘されています。とどまることなく変化する社会の中で,生徒たちが希望をもち、自立的に自分の未来を切り拓ひらいて生きていくためには、変化や失敗を恐れず、変化に柔軟に対応していく力と態度を育てることが求められています。

〇昨日の交流授業では、私自身も環境や農業、製造や運送、保険や医療等の専門家のプレゼンを聞き、とても参考になったことが多くメモをたくさんとりました。やはり学び続けることは大切だと感じました。そして何よりも一緒に参加した生徒たちが疑問に思ったことを質問したり学んだことの感想を発表したりする姿が、通常の授業よりも立派であり、「いつもみているようでも、それ以上に成長しているな」と感心を通り越して感動しました。企業の方々からも「素直で熱心な生徒さんたちですね」と帰りがけに声をかけてもらいました。

〇私もそうでしたがよく中学生には「今何のために学んでいるのかわからない」という気持ちが絶えずあります。企業の方々も自分の経験談の中で、「自分が中学生の時には●●を勉強する意味がわからなかったけれど、今はそれがよくわかります。まずは興味をもつことを大切に授業を受けてください」とアドバイスがありました。今後の生徒たちの変化が楽しみです。

須藤昌英