R7_富勢中日記

3月6日(木)孤独のグルメ&教員のサラメシ&3年生最後の給食

〇「孤独のグルメ」という漫画がまずテレビ番組となり、この1月それが映画となって公開されました。私は映画は観ていませんが、テレビでは「食べるだけの演技も面白いな」と思って観ていました。

〇物語の設定は、輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(いのがしらごろう)が、各地の食堂などで一人で食事をする様子を淡々と描くものです。

〇登場する店は「グルメ」という言葉から一般的にイメージされる高級店や流行りの店ではなく、街に溶け込むように年月を重ねた大衆食堂や個人店がほとんどです。主人公が独りで食事を楽しむ様子が自身の独白と共に描かれるスタイルは、それまでのグルメ漫画には見られない内容で以後、多くのフォロワーを生んだようです。

〇実際に私の娘は、テレビと映画で演じている俳優が好きで、映画も観にいったようです。初老の男性が心でいろいろとつぶやきながら食事をするシーンばかりですが、その表情で演技するところなどは「さすが俳優だな・・・」と思います。

〇私も毎日、生徒の食べる30分前に、校長室で検食をしてその記録を検食簿に書いていますが、ある時「これも孤独なグルメかな・・」と思ったことがありました。

〇一人ですのでおしゃべりもせず、よくかんで味わって食べていると、自然と心の中で「これは美味しいな」とか「こういう味付けも面白いな」とかつぶやいています。

〇またNHKの木曜日の夜に放送されている「サラメシ」というドキュメンタリー番組は、昔から好きでよく観ています。番組の副題に「ランチをのぞけば 人生が見えてくる 働くオトナの昼ごはん それが『サラメシ』」とあり、私は食事の内容よりも、登場する働く人の姿やその仕事の苦労ややりがいなどを想像するのが楽しみです。

〇特に私と同じくらいの年齢の方々が何を好んで食べているのかをチェックしたり、若い新入社員などが仕事の緊張を昼食でほぐすのをみたりすると、「人間ってみんな同じだな」とホッとする時が多いです。

〇私たち教職員の「サラメシ」は、生徒と一緒に食べる給食です。ただし給食指導の一環ですので、サラリーマンの昼休みとは少し違います。配膳がスムーズかどうか目配りしたり食べ方によって生徒の心身の体調をチェックしたりしています。

〇確か数年前の「サラメシ」で、東京都の小学校の校長を取り上げた回がありました。先ほどの校長の仕事の検食は、「学校給食法」に明記されていて、生徒が給食を食べる前までに、学校の責任者が事前に喫食し、人体に有害となる異物の混入がないか、調理過程において加熱等が適切に行われているか、食品の異味・異臭等の異常がないか、一食分として量が適当か、味付け・香り・色彩等が適切かを検査するものです。

〇検食を行った時間、検食者の意見等検食の結果を記録しますが、先ほどのようにその日気づいたことなどを一言コメントで書いて栄養教諭に戻しています。

〇書く内容は、大抵は「ごはんとこの主菜、副菜の組み合わせがいいです。」といったようなことで、たまに味付けについての感想も書きますが、調理の素人ですから自分の好みが前面に出ないように気をつけています。

〇ここまで給食の委託業者の努力で、衛生管理の面では問題はありませんので、安心しています。調理員さんになかなか直接お礼を言う機会がないので、感謝の気持ちもこめています。

〇私以外の職員の多くも給食を楽しみにしており、先ほどのように食べることで緊張がほぐれ、また午後の授業を頑張ろうと思うようです。何よりも暖かい給食を食べられることが有難いと感じます。

〇私が教員となった昭和の終わりから数年間は、柏市の中学校で給食はまだ始まっておらず、職員も弁当持参でした。私が自分の弁当が食べ終わるのを見ると、生徒が寄ってきて「先生、これ食べる?」と自分の弁当を分けてくれることもありました。

〇それをきっかけにその弁当を作ってくれた家族の話を聞いたり、その生徒とお互いの食の好みについてよく話したりしたものでした。まだ20歳代の若さでしたので、当時はいくらでも食べられる頃でした。ただ時には食べ過ぎて午後の授業がきつかったこともありました。今思うと、懐かしい思い出です。

〇今日は3年生は中学校最後の給食です。楽しく食べてほしいです。また木曜日ですので、帰宅してから、ちょうど夕食の時間に「サラメシ」を観ようと思います。

須藤昌英

【卒業お祝いメニューと今日の検食簿】