R7_富勢中日記

2月28日(金)これからの人生でためになる授業(3学年性教育)

〇この3日間は春本番の陽気となり、寒さに対してはだいぶ楽になりましたが、その一方で花粉症などのアレルギーを持っている生徒は大変なようです。近年のコロナ禍によるマスク常用の影響であまり目立たなくなったこともありますが、この時期には花粉対象のマスクをしたりメガネでガードしていたりする生徒を以前はもっといた気がします。

〇屋外に出て体を動かすのがおっくうになったり、室内にいても学習や諸活動に集中できなかったりすることが、本人が一番つらいだろうと思います。少し調べたら、簡単な花粉症対策として、外出から戻ったら顔を洗う方法があるそうです。目の周りや鼻の周りには花粉がついていて、それを洗い流すと吸入する花粉の量が減るのでけっこう楽になるようです。

〇昨日の5校時、日本医科大学付属病院の産婦人科医師である小川淳先生をお招きし、体育館で3生生に性教育を行いました。冒頭に小川先生から「勤務している病院が最近のテレビドラマ『まどか26歳、研修医やっています』の撮影に使われています」と話があると、生徒たちがざわついていました。

〇卒業式を来週に控え、「いのちや性」について深く学ぶ機会を通し、生徒の将来に役立つ講話をしていただきました。主な内容は次の5点でした。

1 男女の身体の変化

2 望む妊娠と望まない妊娠

3 性感染症

4 子宮頸がんとHPVワクチン

5 LGBTQ+と性別違和

〇特に産婦人科医として強調されていたのは、4の内容です。子宮頸がんは「唯一予防のできるがん」であり、以前には副作用の関係で避けられていたHPVワクチンの接種が、小6~高1の女子に国が公費を出して受けられること、海外では男子も受けていることなどを紹介していました。私もこのワクチンが男子も対象であることを初めてしりました。

〇また5の内容に関しては、人を好きになる性(性的指向)は人様々で、どの性別が恋愛対象になるのかは多様であることから入り、性は生物学的な性別だけでなく、様々な要素の組み合わせで成り立っていることに触れていました。自分の性別をどのように感じるのかなど、最近はこころの性(性自認)とからだの性(生物学的な性) がバラバラであることはよくあることと認知されつつあります。

〇親や教員が伝えにくいことについても、現場の医師というプロならではの説明していただき、生徒は真剣に聞き入っていました。やはり専門家の言葉は自らの経験をもとにしていますので、彼らにとっても重みがあるのでしょう。講演会後に校長室で、日本の少子化で産婦人科も危機を感じていることや教員と同じく医師の働き方改革がすすんでいることなどを伺いました。

〇帰り際に小川医師は、「私の話の中で何か一つでも生徒さんたちの心に残ればありがたいです」とおっしゃっていました。思春期は心も身体も揺れ動くので、ちょっとしたことでも専門医に相談することで、安心感が得られることが大切だと感じました。

須藤昌英