創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
1月31日(金)学校の長年の重い課題の一つ
〇最近もファストフード店や駅などの誰もが使用する施設で、刃物を使って人に切りつける事件が後をたちません。刺されて亡くなった中学生や大人も「まさか・・」という思いだったことだろうと思います。
〇今から24年前の平成13年6月8日(金)午前10時過ぎころ、大阪教育大学教育学部附属池田小学校に、出刃包丁を持った不審者が自動車専用門から校内に侵入し、校舎1階にある第2学年と第1学年の教室等において、児童や教員23名を殺傷した事件がありました。
〇犠牲者となった8名(1年男子児童1名、2年女子児童7名)と負傷者15名(児童13名【男子5名、女子8名】、教員2名)を知った時の衝撃は、今でも忘れることができません。犯罪史上、類を見ないこの痛ましい事件は社会全体に衝撃を与え、犯人は平成16年に極刑となりました。
〇私はその後、その犯人が公判で語った言葉を記録を読んで知り、身が引き締まる思いをしました。それは「もし門が閉まっていたら、乗り越えてまで入ろうとは思わなかった」でした。その言葉が犯人の本心だとすれば、各学校は常に複数ある門を閉ざしておかなければならず、そのためには門を常に監視したり警備員を配置したりしなければならなくなります。
〇文部科学省が作成した「学校の危機管理マニュアル」には、日頃からの不審者対策の要点がまとめられています。その冒頭には、
「学校には多くの方々が、様々な用事で訪れます。しかし、その中には非常に希ですが、正当な理由がなく校地や校舎に立ち入ったり、立ち入ろうとしたりする者があります。それらの者を不審者と呼びます。学校では、子どもを犯罪被害から守るため、施設設備の状況も踏まえ、まず必要な体制等を整備し、不審者かどうかを確実にチェックする必要があります」とあります。
〇さらに、「不審者かどうかのチェックをし、正当な理由のない者には、丁寧に校地・校舎内及び周辺からの退去を求めます。素直に応じた場合でも、再び侵入する恐れがないかを見届ける必要があります。また退去しない場合、再び侵入しそうになった場合には、速やかに持ち物や暴力的な言動の有無を確かめるなど次のチェックに移ります。」と続きます。
〇前に勤務した学校で1回だけですが、上記のような不審者に対応したことがあります。警察への通報や教育委員会に報告しつつ、近隣の学校に情報提供したり学区内のパトロールの強化をしたりしたことがあります。その後は事なきを得ましたが、生徒が自宅に無事に帰るまで、経験したことのない緊張感を職員全員でもった記憶があります。
〇私も一日の中で定期的に3つの門(正門、東門、西門)が閉まっているか点検したり、わざと目立つ蛍光色のビブス(防犯パトロールの方が着用している上着)を着たりして校内を回っています。もし不審者がこれを見たら、「それ以上の不法侵入を躊躇するのではないか・・」とのねらいがあります。
〇学校はすべての生徒にとって安全な場所でなければなりません。もちろん先ほどのように複数個所に防犯カメラを設置し、随時警備員が校内パトロールをすることが望ましいですが、現状はそこまでいっていません。今いる職員で可能な防犯体制を組みつつ生徒の危機意識の向上も図っていきます。
〇具体的には生徒が学校内に不審者の侵入や危険を察知した場合、速やかに教職員に知らせ,自他の危機を回避できるなど、安全な行動がとれる態度や能力を育成することが重要です。先ほどの「もし門が閉まっていたら、乗り越えてまで入ろうとは思わなかった」という不審者の心理を逆手にとり、学校は防犯意識が高いということをアピールしていくしかありません。
〇一時期は教員も不審者対策の研修として、さすまたや椅子、傘などを使って不審者の動きを止め取り押さえる演習も行っていました。しかし近年は行っていませんので、若手教員はその経験がありません。「忘れた頃に禍はやってくる・・」みたいなこともあるので、研修の計画も考えています。
須藤昌英
【学校の危機管理マニュアル:文部科学省より】