創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
4月30日(火)教職員と面接を行っています
〇本校には私を含めて46名の職員がいて、それぞれの役割や仕事を担うことにより、生徒の健やかな成長・学びに資するように努めています。職員とは職員室などで毎日、予定の確認や連絡事項などの会話をしていますが、なかなか座ってじっくりと意見交換をすることは4月に入ってこれまで出来ていません。そこで先週から、私と職員一人ひとりと年度当初の面接を行っています。
〇生徒にも個性があるように、職員にも一人ひとりいろいろな持ち味が違います。しかし生徒と一緒に学び成長したいという気持ちから共通していることも多いです。例えば明るく誠実さをもって、生徒の考えや意見をしっかりと受け止めようとする「人間性」、また教育公務員として自覚と情熱をもち、生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫をする「資質・情熱」、そしてさらに教員としての識見を一定以上に備え、授業のねらいを明確にして、生徒の発達段階と場に応じた指導をする「指導力」などです。
〇ただしこれらはすべて最初から身に付けているわけではなく、私も過去にそうでしたが、日々目の前の生徒と接している中で、嬉しいことやうまくいかずに悩んだことなどを自ら内省し、それを次にいかしていこうとする努力によって、段々と自然に仕込まれていくものです。
〇校長にとって、職員との面接の機会は貴重な時間です。まずは次のような学校経営の理念を理解してもらうことを目的にしています。
① 生徒の学びを引き出すファシリテーターの教職員
基礎・基本となる知識・技能の定着を図り、それを応用する力、活用する力を育む学習指導を行い、「確かな学力」を身につけさせる。
② 生徒の生活に寄り添うアドバイザーの教職員
生徒一人ひとりの個性や能力を生かした集団づくりに努め、個と集団の成長を促す生活指導を推進し、豊かな心と健やかな体を育む。
③ 教職員組織の一員(調整・連携)
校務に関する業務内容と意義を理解し、計画的に取り組み、情報と課題を共有し、的確に業務を遂行する。
〇そしてそれ以上に、職員が先ほどのような自分の良さを気づいていない場合にはそれを伝えつつ、可能な限り本音の部分を傾聴していくようにします。職員の個性やもっている力を把握し、さらに伸ばしてもらい生き生きと働いてもらうことが、必ず最後はそれが生徒への教育にも還元されていくと思います。
〇学校を企業に例えると、「主力商品は授業」でありますので、授業を担当する職員から、「単元のねらいや生徒に身につけさせたい資質能力」、「生徒が困難と感じる点やその克服のための指導上の工夫」などを聞き、私がその授業を来月からホームページで紹介していくための日程を調整しています。
須藤昌英
【正門わきのハナミズキ】
4月26日(金)部活動結成式
〇昨日の放課後、1年生も正式に部活動入部し、結成式を行いました。
男子バスケ 女子バスケ 女子バレー 男子テニス 女子テニス バドミントン サッカー 卓球 野球 剣道 吹奏楽 美術
〇そもそも学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツ振興を大きく支えてきました。また体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場、そして活躍の場として、教育的意義を有したりしています。
〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。
〇将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かにスポーツや音楽などを楽しむ資質・能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じたスポーツ・音楽などを行うことができるように、抜本的な改革に取り組む必要があります。
〇柏市では、昨年9月より土・日曜日の活動をNPO法人から派遣された指導者(コーチ)指導する方法を、他市に先駆けて行っています。その成果等は、KSCA(柏スポーツ文化推進協会)のホームページ等をご覧ください。本校といたしましても、今後は陸上競技や吹奏楽についても市の方針を受け、教育委員会と連携し、地域移行に向けて準備していきます。
須藤昌英
4月25日(木)各教科で身に付けたい見方・考え方について
〇今週から正規日課の授業が始まり、各教科とも教科書を使った授業が始まっています。ただ教科書を使うと聞くと、教科書の内容を最初から最後までを生徒に「教え込む」というイメージをもつ人も多いと思います。しかしそれは生徒を受動的な存在として見ていることになります。
〇本来生徒は、能動的学習者です。生徒(というよりも人間)は、人間は皆、生まれながらに「考える」や「学ぶ」ということから逃げられない生き物です。そして「学び」は決して完結することはありません。常に何かを知ろうとし、分かろうとし、できるようになろうとしています。
〇ですから、各教科では、教える内容を通して、身に付けさせたい見方や考え力を設定して、授業を行っています。5教科について、私見も入っていますが、その一部を紹介します。
〇国語は新学期は各学年とも、ぞれぞれ「詩」の学習から入っています。1年は、金子みすゞ、2年は吉野弘、3年は谷川俊太郎などの著名な作品ばかりです。詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が養われます。その力は、「映像化力」と呼ばれ、目の前に詩の情景をイメージしていく力です。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないのが一つの原因で、生徒たちは暗唱することを繰り返したり、自分なりのイメージづくりをしたりして、作者が何に感動してその詩をつくったかを想像しています。
〇数学では全学年が、「数と式」の領域から始めています。これは「数」と「式」が、「図形」や「関数」などの数学全体の下支えをしているからです。算数や数学では学年が進むほど「新しい数」を定義し、その世界をひろげていきます(例えば、小数、分数、正負の数、平方根など)。数学に苦手意識をもっている生徒はどの学年にも一定数いますが、原因の一つが、「数学の独特の世界に違和感がある」からです。でもその違和感は当然とも言えますので、私はその昔生徒には、「数学という国へ旅行したつもりで、その数学の文化や風習に徐々に慣れ、楽しむくらいに思っていればいいよ」と話していました。
〇英語科の目標は、「簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝えあったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」です。コミュニケーション能力で最も大切なことは、相手への伝達だけでなく、相手からの情報をいかに上手に受け取るかという観点も持っていなければなりません。世間では、高機能でコンパクトな翻訳機があり、困ることはない時代になっていますが、一つ言えるのは、コミュニケーションのツールとして、英語は日本語よりもある面は適していると思います。
〇社会科は、「地理」「歴史」「公民」の分野があり、前の2つは1~2学年に、並行して学び進めます。地理は世の中で起こっている現象について様々な角度から体系的に学習し、歴史は今ある政治体制や文化を正しく理解するために、まずは過去にさかのぼって背景を知る学習し、公民は「法律」「政治」「経済」などの現代社会のしくみや在り方について学びます。分野は違いますが、これらに共通するのは、「すべて人の生活や営みから派生している」のであり、最後は自分の生活にどのように活用していくかだと思います。
〇理科を学ぶ過程は、仮説や予想を立て、自分の問いを追求し、それをみんなに説明したいために、実験・観察をすることがあります。この力は生徒が大人になって社会に出てからもよく使われるもので、成功しても失敗してもその原因を考え、そこからまた新しいアイデア(仮説)を立てていく・・この繰り返しが大切です。ただし、実験・観察などには多くの器具を使用しますので。安全性の確保が欠かせません。年間を通して理科室での授業は、理科支援員さんのバックアップを受けて、安全面に最大の配慮をしていきます。
〇来月からどのような授業が実際に行われているかを紹介していきます。
須藤昌英
4月24日(水)「不思議」への憧れ
〇今、校庭には咲き終わったタンポポの綿毛が一面に広がっています。私は幼い頃からこの綿毛を飛ばすのが大好きでした。何十もの綿毛を集め、一気に吹き飛ばしてよく遊んでいました。当時もそれがタンポポであることだけは知っていましたが、なぜそのような形になっているのかは知らないというか興味はありませんでした。ただ遊び道具の一つでした。
〇ご存じの通り、咲いたタンポポの花がしぼむと、綿毛ができます。花が咲いて種が作られるのと並行して、綿毛も徐々にできあがります。綿毛になったあとは時期がくると風で飛ばされるようになります。勢いよく遠くへと飛ばされて、広範囲へ定着します。たんぽぽの綿毛はとても不思議な存在ですが、これは種を遠くに飛ばすためにできたものです。
〇先日校庭で昔のように綿毛を飛ばしていると、生徒達から「校長先生何をしているのですか?」と声をかけられました。「見ての通り綿毛を飛ばしているんだよ。一緒にやるかい?」と答えると、彼らは笑いながら「遠慮しておきます。」と言いながら立ち去っていきました。もちろん彼らも幼い頃は「綿毛飛ばし」をやった経験もあるでしょうし、綿毛が子孫を残すために飛ぶことも知っているでしょう。
〇その時思ったことは、大人になってその仕組みや理屈がわかっても、やはり綿毛があのような形で風に飛ばされるのを待っていることが、今でもとても「不思議」だということでした。むしろ大人になってからの方が一層、知識としてではなく、けなげに自分のいのちを全うしようとしているタンポポの姿に、学べるような気がします。
〇同様に何でも幼い頃からに不思議と思ったことを大人になってからも大切(憧れる)にするようにした方が、人生の深みが増すのではないでしょうか?新しい視点で同じものを見ると、まったく違うように見えるという経験も、生徒たちはこれから味わってほしいものです。
〇生徒たちに「綿毛飛ばし」を遠慮されてしまったので、孫娘と一緒に楽しんでいます。
須藤昌英
4月23日(火)正規日課開始と朝の10分間読書活動
〇昨日より正規日課、つまり時間割通りの授業となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいます。
〇特に1年生は、50分授業6コマを受けることには不慣れで、しばらくは大変かもしれません。まだ中学生の体力はないので、睡眠時間の確保や栄養補給などに気を配ってあげてください。
〇朝の10分間、生徒は静かに自分で選んだ本と向き合い読書を行っています。これは2つのソウゾウ力(想像力・創造力)を養っています。想像力(イマジネーション)により、実際に見聞していないことについて考えを巡らすことで、創造力(クリエーション)につながり、独自の方法で新しい何かを創り出せる大人になっていきます。
〇日本人はかつて世界有数の「本を読む国民」でした。しかし昨今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、人間性を育てるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。
須藤昌英
4月22日(月)柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター募集
〇令和7年4月から、柏市では市としての標準制服を全校で導入します。これに先駆け、令和6年6月頃から、プレ標準制服を着用する生徒モニターを募集します。モニターに選ばれた生徒には、無料でプレ標準制服を配付します。着用後、「制服の見直し」に関する生徒アンケートに回答してもらいます。また着用後(卒業時)は制服リユース(柏市制服バンクへの登録等)に協力をしてもらいます。以上の内容で本人と保護者の同意が得られた上でモニターを希望する場合は、柏市の回答フォームから応募してください。
〇尚、現在はもちろん、来年度からもこれまでの「詰襟学ラン(Aタイプ)」と「セーラー服(Bタイプ)」は制服として認めていきますので、あくまでの第三の選択肢として、柏市の標準制服(Cタイプ)を考えてください。またこれからブレザー用のネクタイとリボンを業者と話し合いながら決めていきます。生徒の意見も反映できるように工夫していく予定です。
須藤昌英
4月19日(金)新入生歓迎会(生徒会行事)
〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を知った上で、来週から正規日課として本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。
① はじめのことば
② 委員会紹介
③ 部活動紹介
④ 記念品贈呈
⑤ 歓迎の言葉
⑥ お礼の言葉
⑦ 校歌斉唱
⑧ 校長先生の話
⑨ 終わりのことば
〇校長の話では、「人間は体験してそれをその後に活用できる経験にしていくことが一番大切です」「憧れの先輩を一人もって、その人をこれから超えられるように努力するとよいです」などと話しました。あたたかい雰囲気の会でした。
須藤昌英
4月18日(木)個人写真撮影&学年レク
〇生徒全員の肩から上の写真(制服着用)を撮影しました。1年生は初めての経験で、少し緊張していました。カメラマンさんからも「固くならないでいいですよ」と声をかけられていました。
〇各学年で、クラスの親睦を深めたり団結を高めたりする目的で、レクレーションを行いました。全員リレーやドッジボール、綱引き、台風の目、クイズ、障害物競走など体や頭を使った種目で、楽しんでいました。
須藤昌英
【1学年】
【2学年】
【3学年】
4月17日(水)睡眠の大切さ
〇始業式から12日、入学式から一週間が経ちました。生徒は環境や人間関係の変化など、最初の緊張感からくる疲労が出やすくなってくる頃です。
〇東京大と理化学研究所の調査で、小中高生の半数以上で睡眠時間が不足している実態が明らかになったニュースがありました。塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン使用などが背景にあるとみられます。特に成長期の睡眠不足は心身の発達に悪影響を与え、生活リズムが乱れます。東大と理研の研究チームは2022年9月から、小中高生計約5万人を対象に睡眠の実態を調査していたようです。
〇3月に公表された中間結果によると、平均睡眠時間は小学6年生7・90時間、中学3年生7・09時間、高校3年生6・45時間で、当たり前ですが学年があがるごとに睡眠時間は減っています。私の印象では中3の7時間は予想よりも長いと感じました。もちろん平均値ですので、バラつきはあるでしょうが、平均よりも短い人と長い人の二極化になっているとしたら、その方が問題です。
〇厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」は、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨していますが、研究チームの調査では、全体の半数以上が推奨時間を満たしていなかったようです。小児睡眠障害を扱う病院では、患者数が近年増加傾向にあるようで、専門医師によると、睡眠障害の子どもには〈1〉部活動や塾、習い事でスケジュールが過密〈2〉スマホやパソコンなど電子機器使用が多い――といった傾向がみられるそうです。
〇関西の堺市では以前から、適切な睡眠のあり方を教える「眠育」に取り組んでいるのは知っていました。児童生徒に睡眠時間を記録させたり、授業で睡眠の意義を教えたりしています。不登校対策から始まったもので、生活リズムが乱れていると思われる児童生徒には個別に面談もしているようです。本校でも参考にしています。
〇日本睡眠学会理事長の内村直尚氏は「学校で居眠りが続く子どもがいれば家庭と情報共有するなど、子どもの睡眠が足りているかを把握してほしい」と呼びかけています。もしお子様で気になる状況がありましたら、明後日の保護者会で担任や養護教諭などにご相談ください。
須藤昌英
4月16日(火)水分補給の大切さ
〇昨日は4月にもかかわらず、新潟では気温が30度を超える真夏日になりました。今後は熱中症にかかる危険性がありますので、注意しなければなりません。実際に昨日は午前中から体調の悪い生徒がおり、原因は様々ですが、その一つに水分不足があるような気がします。
〇人間の体の約60%は水分でつくられています。例えば、体重が60Kgある人なら36Kgが水分です。それだけ水分は体を維持することに必要で、足りなくなると生命に関わることもあります。体から5%水分を失うと脱水症状や熱中症症状が現れ、10%失うと筋肉のけいれんや循環不全が起こります。さらに、20%失うと死に至る可能性があります。
〇また最近は、「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」を判断の目安にしています。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
〇昨日の正午の時点では、「21~25(積極的に水分補給)」でした。ご家庭でも気温にあわせた服装やマスクの着脱、水筒の持参について、再度確認してください。のどの渇きはすでに「脱水」が始まっている証拠ですので、喉が渇く前に細目の水分補給をさせるようにします。
須藤昌英