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たたき込まれた「美学」改めた

たたき込まれた 「美学」改めた

高校時代、「休まない美学」をたたき込まれた。 始業前に部活の朝練。昼休みはグラウンド 整備。 放課後は自主練習。 引退 翌日から、お弁当を食べる間も電車の中でも受験勉強。 それらが当たり前の環境で、疑問は なかった。

「他が休んでる時に新人が休んでどうする。 差を埋めるために働け」。 社会人になっても、 上司の言葉を真に受け、走り続けた。3年後、 心が折れた。 何に対しても力が入らず、辞職。 「ぼちぼち行こう。 どうせ最後は墓地だっぺ」。 旅行で出会ったおじいちゃんのダジャレに 笑う余裕はなかった。

やがて起業。 軌道に乗せるまで必死に働いたが、ふと「ぼちぼち行こうかな」 と週休3日 に。余白の大切さに気づいたのだ。心が穏やかに、体が健康的になる。 すると、 仕事が楽し い。 ささいな幸せを感じられる。 稼働日を減らしたのに売り上げは上がった。

休憩しよう。 寝よう。 空を見上げよう。 余白で心身を整える。 「休む美学」。 高校時代の自分にも教えてあげたい。

学習塾経営 高橋惇(兵庫県33)

(朝日新聞 2023.5.14 「声Voice オピニオン & フォーラム」)

教頭先生が日報で紹介してくれた記事です。私たち昭和生まれの50代は、「24時間戦えますか?」に代表されるように、まさに休まないことが美学であることが当たり前の時代でした。もしかしたら学校にはまだその認知バイアスが残っているのかもしれません。先生方の献身的な仕事ぶりには頭が下がる思いですが、介護や子育て等様々な事情を抱えている一人一人の先生方が、心身ともに健康で、笑顔で子どもたちの前に立つことができるように、時にはゆっくりと休むことができるような心理的柔軟性を大切にしたいものです。