文字
背景
行間
6年生「世界が100人の村だったら」
PTA会長の濱田さんを講師にお迎えして,6年生が国際理解教育「世界が100人の村だったら」のワークショップを行いました。実際に身体を使いながら世界の多様性や格差を体感するワークショップです。
そして,今年の6年生は,ぴったり100人なのです。
まずは,100人で一つの大きな輪になりました。
そして一人一人に「なりきリカード」が渡されました。そこには,①自分の名前・②その国の「こんにちは」のあいさつ・③母国語・④大陸名・⑤なぞのマークが書かれていました。
最初のゲームは,自己紹介。カードに書かれた自分の名前と「こんにちは」のあいさつをたくさんの人と交わします。
2つ目のゲームは,同じ言語の人を探し,グループになります。すぐに仲間が見つかって集団になれた「ニーハオ」。
どんなに自分の国の「こんにちは」を言っても,同じ「こんにちは」に出あえない人。日本人も,100人の中に2人だけでした。タイの「サワデー」は1人でした。
3つ目のゲームで,アジア・アフリカ・ヨーロッパ・北アメリカ・南アメリカの五つの大陸ごとに集まりました。
枠の中に4人しかいない北アメリカ大陸。ギューギューのアジア大陸・・・・
そして最後は,謎のマークごとに集合です。それはぴったり20人ずつの5つのグループでした。
さて,何のグループなのでしょう。濱田さんからの問題に,みな頭をひねりました。
応えは,「大富豪」「富豪」「標準」「貧しい」「ものすごく貧しい」という5つのグループでした。
世界を,富という条件で5つに分けたのです。
そして,5つのグループにビスケットが配られました。100枚のビスケットです。100枚のビスケットは世界の富の合計です。本来1人1枚ずつなら,平等に分けられるはずですが,実際の世界の富は,大きく大きく偏っていました。
100枚のビスケットのうち,アメリカ・中国・日本などが属する「大富豪」の取り分は,88枚!!
日本は,「大富豪」に属するんだ・・・子どもたちにとっては意外だったようです。
「富豪」の取り分は,4枚。大富豪との差がものすごいです。「標準」は3.5枚。「貧しい」は3枚。「ものすごく貧しい」は,0.5枚。何と20人で0.5枚のビスケットを分けることになりました。
1人で4枚のビスケットを食べることになった,大富豪チーム。20人で1枚の半分のビスケットを分けることになった「ものすごく貧しい」チーム。
「さあ,全員,ビスケットを食べましょう。」という濱田さんの指示。
ここからの子どもたちの言動がとても興味深かったです。
「20人でこれしかないの?!」と言うグループ。大富豪に「少し分けてよ!」というグループ。どうやって平等に分けるか思案するグループ。「一人4枚のビスケットは食べきらないので,とっておいてもいいですか?」という大富豪グループ。「少しあげるよ。」という大富豪グループに「ありがとう。でもいらないよ。」というグループもありました。一番興味深かったのは,「ものすごく貧しい」グループが,全員で0.5枚をどう分けるか話し合っていた姿です。
最後に,濱田さんが,「皆さんが今話している内容や,今やろうとしている言動が,そっくりそのまま世界で繰り広げられています」と話してくださいました。平和や戦争を考える視点でもありました。
濱田さん,ありがとうございました。濱田さんはこの実践をふまえたメッセージで,2021年に行われた,東京オリンピックの選手団を先導する「プラカードベアラー」に,全国2万人のの応募の中から選ばれました。
最後に,この実践は2001年初版の「世界が100人の村だったら」の絵本と詩がもとになっています。是非,検索してみてください。