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知識と意識と交通安全
知識と意識と交通安全
学校だより「いぶき」5月号に引き続き,交通安全の話をさせてください。
お伝えしましたとおり,1番交通事故の危険性があると感じた場所は,
「地域安全マップ⑫」のこの場所です。
交通量が多く,大きな交差点の中間地点であるため,車両のスピードもかなり出ています。
大型バスの往来し,特に朝は通勤時間帯ということもあり,運転手はみな急いでいる様子です。
先日の全校朝会で子どもたちに〇✕クイズを出しました。
「信号が青になったら道路を渡ってよい」
約9割の子どもたちが「〇」と答えました。(もちろん正解は「×」です)
10年前,この交差点を渡った子どもも「信号が青」であることを確認してから道路を横断しました。
しかし,車にはねられました。運転手が信号を見落としたからです。(詳細は学校だよりで)
交通ルールを守っていても,事故にあってしまうことがある。
それを避けるためには,「左右の安全確認」をしなければならない。
朝会では,職員を自動車に見立てて,歩行者が安全確認を怠ったために
車にはねられてしまったという場面を演技し,子どもたちに見せました。
歩行者役の私が車に飛ばされて倒れると,子どもたちからは笑いが起きました。
そこで子どもたちに尋ねました。
「楽しかった?でもこれって,笑いごとじゃないよね。」
子どもたちは真剣な表情に変わりました。
「自分の命は自分で守るしかない」ことを伝え,
全校児童で「左右の安全を確かめてから信号を渡る」というロールプレイをし,話を終えました。
翌日,交差点に立っていましたら,子どもたちはみな(一人を除いて)左右の安全を確認し,
横断歩道を渡っていました。
知識だけでなく,意識も持ってもらえたようです。
雨の日の今日,登校指導に立ってくださっていたお母さんに子どもたちの様子をうかがいました。
「以前と比べて,子どもたちは自分で左右の安全を確認してから渡るようになりましたね。」
こうおっしゃっていました。
こうした指導において1番効果的なのは,「その時その場で」諭すことです。
それができるのは保護者の皆さんです。
そこでようやく知識が意識化され,のちの行動が変容します。
お子さんと出かけた際,我が子がどれだけ安全確認をし,危険を回避できているか,
あるいはまったくできていないのか。まずは確認してください。
そして,その時その場で,「ここではどうすればいい?」「そうしなかったらどういう危険がある?」
と考えさせてください。
事故は大人の見ていない時,子どもだけの時に起こります。
自分で判断(安全確認)できない子どもは,常に交通事故の危険と隣り合わせだということです。
3年前になります。柏市内で痛ましい事故がありました。
休日に自転車に乗っていた子どもが自動車にはねられて亡くなりました。
どんなに後悔しても亡くなった命は戻りません。
命がある今,自分の命を守れる子どもに育てていきましょう。
重い話になりましたが,命よりも重いものはないということでご勘弁ください。