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体験と感動(運動会)
運動会が終わりました。
子どもたちにとって,我々教職員にとって,
そして保護者の皆様にとっても感動の多い1日だったように思います。
「全力で 赤白ともに もりあがれ」運動会のスローガンです。
各学級からの意見をもとに,運動会実行委員会が討議し,決定しました。
「今年の運動会は自分たちの演技だけでなく,全校で応援に力を入れて,一体となろう」
という願いが込められていました。
応援団の子どもたちは,運動会に向けてとにかく頑張りました。
まずは自分たちの練習。型をしっかりと覚え,腹から声を出す。
これだけでも大変なことです。
次に,各組オリジナルの応援,「ムーブ」の振り付けなどを考えます。
さらに,そのすべてを全校児童に伝え,練習をリードする。
ここが1番の難関だと思います。なにしろ,全学年に応援団員が散らばり,
自分だちだけで他学年の子どもたちに指導をしなければならないからです。
そして,ようやく本番を迎えます。
私が感心したのは,「プログラムにない場面」での応援団の子の活躍です。
競技を行っている間,応援団員同士で相談し,各組の子どもたちを鼓舞し,自発的に応援を繰り広げていました。
見てください,この笑顔。なぜこんな素敵な笑顔になるのでしょう。
それは「自分たちで考え,自分たちで決めて,自分たちで行動している」からです。
しかも,全校児童をリードするという貴重な役割の中で。
今年の運動会は,「子どもたちが主役」となるよう教職員一同心を砕いてきました。
開閉会式は運動会本部役員が進行します。
彼らは,何の原稿も見ません。すべて暗記して式に臨みます。
原稿を見ていては,思いを乗せた進行ができないからです。あの緊張する場面でです。
(真似できませんよね。)
そして,いたるところで各学年代表児童がスピーチをします。
スピーチを終えた子供たちの表情は達成感と安堵感でいっぱいでした。
それはそうです。全校児童,保護者の方々が見守る中,あの大舞台で話すのですから。
今年の運動会の種目は,各学年ともに,徒競走,団体競技,表現運動の3つです。
まず驚いたのは,徒競走での子どもたちの頑張りです。
練習の時とは段違いの気迫が感じられました。
中にはヘッドスライディングでゴールする子,ゴールしたとたんに勢い余って一回転してしまう子もいました。
これが全力というものなのでしょう。
「見守られて,注目されて,期待されて,応援されるから」
子どもたちは意欲を持ち,力を発揮するのだな。その当たり前のことを改めて感じました。
子どもたちが一番時間をかけて熱心に練習してきた表現運動も秀逸でした。
「私たちの演技を見て!」という喜びに満ちた表情,練習以上の表現力に胸をうたれました。
各学年ともに,ダンスリーダーを中心として,細かな振り付けまでこだわって演技を完成させました。
暑さ指数が高いため,校庭での練習が中止になる日も多くありました。
決して十分な練習時間があったわけではありません。
「頑張っている姿を見てほしい」その一心で,子どもたちは力を尽くしたと思います。
そして,運動会の花形,紅白対抗リレー。
実はこの競技も,練習が不十分でした。
直前になってインフルエンザが流行し,選手変更,練習中止が相次いだからです。
それでも子供たちは頑張りました。
会場全体が一体となった瞬間だったのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。運動会の日の感動,胸が熱くなった思い出がよみがえってきたのではないでしょうか。
人は大切な何かを体験し,感動することで成長するのだな…。
運動会での子どもたちの姿を見守りながら,私はそう感じました。
体験,感動の多い学校生活を,これからも子どもたちとともに作り上げていきたいと,思いを新たにしました。