校長雑感ブログ

4月9日(木)第80回入学式と寿(ことほ)ぐ

〇昨日の午後は、全校生徒で分担し、今日の入学式の準備を行いました。どの生徒も後輩を迎えることを楽しみにしており、笑顔で準備していました。今日の午前中は、自宅でゆっくりと過ごし、午後の登校に備えてください。

 

〇昨年度から市内一斉に小学校42校と中学校21校の入学式を同一日に行うことになりました。正直言えば、従来のように午前中に入学式を行うと、午後は新入生との個別支援等ができるので、元に戻らないか・・と感じますが、市内統一なので仕方ありません。

〇本校は入学式に、在校生(新2年・3年)も式に参加しますので、心を込めた準備とあたたかい雰囲気の当日になると思います。入学式に在校生を参列させるかさせないかは、学校ごとに任されています。午後からの式なので、最初は在校生は午前中のみ登校させ、午後は新入生とその保護者だけの式にしようかとも考えましたが、教職員から「在校生があたたかく新入生を迎える式にしたい」と意見が多かったので、在校生も午後の登校と変更しました。

〇私もこれまで市内で6校の中学校に勤めたことがありますが、これほど準備をスムーズに、しかも嫌々ではなく楽しそうに、力をあわせて行っていた学校はあまり記憶にありません。「心が優しい生徒が大勢いるな」と思いました。

〇数ある美しい日本語の一つに、「寿ぐ」があります。読み方は「ことほぐ」で、別に「言祝ぐ」と書くこともあります。意味は字のごとき「言葉で祝う」「お祝いを述べる」「喜びを言う」などです。特に「ほぐ」は、よい結果が得られるように、祝福のことばを唱えるという意味です。

〇たとえば「新年を寿(ことほ)ぐ」といった場合に使われています。私は初めてこの言葉を知った時、字から受けるイメージもそうですが、その読み方から「春の陽気によって人の心が和らぐ」と似た感覚があるなと思いました。

〇少し調べますと、この「ことほぐ」は、古くから使われていた語で、『古事記』などにも用例が見られるそうです。日本の言霊(ことだま:ことばにあるとされていた霊力)思想を反映した語であろうといわれており、ことばには発せられたことばの内容どおりの状態を実現する力があるというものだそうです。

〇この言葉の美しさは、単に形式的にお祝いを述べるだけでなく、「言葉には力があり、それが相手の幸せを形作る」という日本人特有の繊細な感性と、相手を思う深い慈しみが宿っているからでしょう。「ことほぐ」という、柔らかくも力強い響きを大切に使いこなせると素敵です。

〇今日の入学式に向けて、入学を寿ぐ「校長式辞」を作成しています。本番では全職員を代表して、心を込めて読みたいと思います。

須藤昌英