テガニっき 

テガニっき 令和5年度

6年生 国語「言葉は時代とともに」

 6年生は「言葉は時代とともに」という学習が始まりました。「万葉集」から始まり、日本語の変遷を和歌や文学作品にそってたどります。万葉仮名から始まり、夏目漱石や芥川龍之介も登場する、非常に文学的な内容となっております。

 さて、万葉集といえば「古典」ですが、古典の授業というと、どんなイメージがあるでしょうか。よく解らない言葉づかいで、内容もよく解らない。それで退屈な思いをした方も少なくないかと思います。万葉集は、原書に近いものは次のようになります。

 ICTの投影機で子どもたちにも提示しましたが、さっぱり読めません。そこで「よく解らない言葉づかいで、内容もよく解らない」を逆手にとって、暗号解読のような授業にしました。

 万葉集には、上のような歌があります。授業では「暗号を解く思いで読んでみよう」とうながしました。しかし、もちろん読めませんので、少しずつヒントを出しながら読み進めていきました。歌の意味は (   )は(   ) となりますが、解るでしょうか。

 

 まず、万葉仮名ですが、漢字の「音」のみで「意味」は背負っておりません。現代でも「夜露死苦」と書いて「よろしく」と文字遊びのように書くこともありますが、「夜」は「よ」という発音だけで「night(夜)」という意味は背負っておりません。万葉仮名も、原則として同じルールです。ひと目「母」という字が目に付きますが、これも母親などではなく「も」という音として登場しています。「私も」「日本も」などの「も」と同じです。すると、少し世界が開けてきます。

 「玉」は「宝、宝石」などの意味です。どうやら、「銀も金も宝も、なんだっていうんだ」と最初に言っています。次の「麻佐礼留多可良」は、どう読んだらいいでしょう。

 ここは「麻佐礼留」と「多可良」に分かれます。「まされる たから」⇒「勝れる 宝」となります。さあ、だいぶ暗号が解けてきました。

 最後まで読むと「銀も金も宝も、なんだっていうんだ。それに勝る宝は〝古〟に決まっているじゃないか」というような意味になります。最後の謎です、「古」とは何でしょうか?

 「古」は「こ」という音ですが、「こ」と発音する宝といえば、、、そう「子」ですね。

つまり、この短歌の歌意は ( 子 )は( 宝 ) と言いたかったわけです。

 6年生も頭を抱えて推理しながら、真相に近づきました。「解った!」という歓声をあげて、読み解けた人が少しずつ増えていきました。最後は全員が読み解き「なるほど!」となりました。

 1200年もの昔の人々ですが、現在の私たちと変わらぬ感情を持っていることが発見でした。投影機を利用して、「万葉集」という名の暗号を解読しました。熱心な6年生からは「面白かった!」「またやりたい!」という、嬉しい声も聞こえてきました。

 

#リーディングDX事業の事例につながる実践 #課題の設定

(6年担任 澤井)