校長室より

第37回 卒業証書授与式によせて

 やわらかな光が大地にあふれ、春の息吹が感じられるようになりました。
 本日,2年生と保護者の皆様に見守られながら,第37回柏市立中原中学校卒業証書授与式を挙行できますことを,心より感謝申し上げます。そして,このような状況の中,卒業式の実施に向けてご尽力いただきました全ての方々に,お礼申し上げます。

 さて,124名の卒業生のみなさん,ご卒業おめでとうございます。三年間の中学校生活を立派に修了し,新しい道に進もうとするみなさんの輝かしい前途を,心から祝福したいと思います。

 みなさんにお渡した卒業証書は,中学校三年間の学びが修了したと同時に,義務教育九年間が終了したという「証」であり,みなさんを支えてくれた家族・先生・友だち・そして地域の方々,みんなの「愛情」が込められた大切なものです。卒業生のみなさんには,この一枚の卒業証書の重みをしっかりと受け止めてほしいと思います。

 この大きな節目を迎え,卒業生のみなさんの胸には様々な思いがこみ上げているのではないでしょうか。

令和2年3月,政府からの臨時休業要請を受けて,学校は3ヶ月間休校しました。卒業生のみなさんは小学校6年生。卒業間近のことでした。
 あれから3年,6月の入学式に始まり,中原中学校に在籍した三年間はコロナ禍の影響で様々な行事が中止,延期,規模の縮小を余儀なくされてきました。誰も経験したことのない日々につらい思いをたくさんしたことでしょう。
 しかし,そんな中でもみなさんは常に前を向き,「今何ができるのか」「どうすればできるのか」を考え,「今できること」に一生懸命取り組んでくれました。
 10月の文化祭では,合唱練習もままならない状況の中,密を避けての練習を繰り返して,どの学級もすばらしい合唱を披露してくれました。そして,先日行われた『3年生を送る会』では,実に4年ぶりに体育館で全校合唱を行いました。たった2回の全体練習でしたが,3年生のリードのもと,先生方も感動する素敵な合唱を響かせてくれ,中原中学校の伝統である合唱を,守り・引き継いでくれていると,うれしく思いました。
 11月の全校体育大会では,3年生のみなさんが率先して競技や応援に積極的に取り組み,大会を大いに盛り上げてくれました。
 また,1年生の時から取り組んできた課題である『発信力』の強化。今年は1・2年生や小学生,保護者や地域のみなさん,外国の方々と様々な人に中原中学校の魅力を発信してくれました。みなさんからの「自分に自信がついた。」「自分の考えをきちんと持ち、伝えることができた。」「聞き手を意識するようになった。」という言葉に,みなさんの成長を感じました。
 そのようなみなさんの姿は1・2年生の良き手本となり,まちがいなく中原中学校をリードしてくれました。本当にありがとう。

 卒業生のみなさん,4月からは,みなさん自身が切り開いた新しい道を,胸を張って歩んでください。人と自分を比べる必要はありません。それぞれ得意なところを生かして,自分自身を大切に,夢に向かって邁進してください。
 もちろん,いいことばかりではないでしょう。時にはつらいことや,うまくいかなくて悔しい思いをすることもあるかもしれません。そんな時は,ぜひこの「卒業証書」を開き,どんな時もみなさんを応援してくれる人たちがいること,そして,この中原中学校で仲間と協力しながら立派に三年間過ごしてきたことを思い出し,頑張ってほしいと思います。みなさんが新しい場所で活躍する姿を楽しみにしています。

 保護者の皆様に申し上げます。
 三年前,新しい制服に身を包み入学したお子様が立派に成長され,卒業の日を迎えることになりました。感慨もひとしおのことと思います。お子様のご卒業,誠におめでとうございます。
 また,この三年間,どんなときも変わることなく,本校に対しまして深いご理解と温かなご支援を賜りましたこと,心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 それでは卒業生のみなさん,これからの社会は大きく変化することでしょう。様々な未来予想図が語られていますが,一つ確かなことは「未来はあなたたちがつくる」ということです。より良い未来をつくるために,『Smile』笑顔を忘れず,『Diversity』多様性を認め,『Update』謙虚に学び続け,『Challenge』勇気を持って新しいことに挑戦してください。

 みなさんの未来が,夢と希望で輝くことをお祈りしています。