校長コラム

安心・安全が恐怖へ変わる

 『緊張と静寂を胸一杯に吸い込み,体全体で「心一つ」の合唱が始まる。聴衆の感動が拍手に変わり,発表している生徒の顔から達成感と満足感が伝わる。』,学校開校から3年を迎えた合唱祭が,生徒たちの新型コロナウイルス感染防止策を講じた上で,一生懸命さに支えられ感動の中で終えることができました。生徒たちのこれまでの努力に感謝するとともに,この行事を実施できたこと本当にうれしく思います。

 どの学級もすばらしい歌声を聴かせてくれましたが,特に,三年生の歌声はすばらしく価値あるものだと思います。最上級生として,柏の葉中のこれからの「伝統」をしっかりとつくってくれました。

 さて話はかわりますが,近年,心傷む事件が多く発生しています。それは生徒の自殺です。原因は様々ありますが,友人同士の些細なトラブルがいわゆる「ネットいじめ」「誹謗中傷」へと発展し,悲しい結果をまねく事件が多く報道されています。脅し文句はスマホ等のSNSやメールなどで伝えられ,被害生徒のスマホ等に,加害生徒以外の多数からも送信されていたということです。スマホやパソコン等による「ネットいじめ」が,今も子ども達の間で行われています。顔も名前も見えない不特定多数の相手から脅しのラインやメール等が送信される,その恐怖感は想像を絶するものがあります。安心・安全に供する道具が一転して人を死に追い込む凶器になるということです。

 この様な事態を踏まえ,本校では「情報モラル集会」を今後,実施したいと考えております。情報モラルの専門家を講師に招き,情報モラルの実態等について具体的な事例を踏まえて講演をしてもらいたいと思います。また当日は,新型コロナウイルス感染防止のため各学級でのオンラインによる講演を予定しております。

 最後に,今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため教育活動の改善を目的に行う「全国学力・学習状況調査」が実施されませんでした。本来ならばこの時点でその結果が県・市並びに学校に返却され,それらの結果・説明を踏まえ,個人結果の返却,学校全体の分析結果等の公表をすることになっていました。今後は,本校の学力や学習状況について定期テスト等を活用して把握するとともに更なる学力向上を目指し取り組んでまいります。

                                      柏の葉中学校校長 加藤定浩