校長コラム

桜の下で

 早いもので今年度も残すところ一週間たらずとなりました。お陰様で令和3年度の教育活動や諸行事も滞りなく終えようとしております。これも一重に保護者の皆様,地域の皆様のご理解とご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
 三月十一日には,第四回の卒業証書授与式が挙行されました。六十五名の卒業生が巣立っていきました。卒業生の皆さん,「卒業おめでとう」。私と卒業生との二年間の思い出は,新型コロナウイルス感染拡大防止のためこの二年間行事という行事が中止,部活動やコンクール,発表会等も中止となり,多くの思い出を作ることができませんでした。残念でなりません。しかし,このような制限がある中でも二年生の時に行った柏の葉公園での校外学習,みんなで作ったカレーライスは美味しかったです。学校の約束事の大切さについて,真剣に議論を重ねた検討会議。これからの柏の葉中学校の生活を良くしようと真剣に話し合った姿を見ることができました。県大会出場やコンクール,発表会に向けて,ただ一つを願い,競技や演奏に打ち込む「純粋で,ひたむき」な姿は,後輩達への素晴らしい財産として受け継がれています。体育委員を中心に運営された,ようやく実施できた体育祭は,観るものに大きな感動を与えてくれました。皆で協力し、必死になって演技した男子のソーラン節,女子のダンス,全力で走った全員リレー,障害物競争,どれも「一生懸命」さが伝わってきました。生徒から「一生懸命」ということの素晴らしさを改めて教えてもらいました。そして柏葉祭。柏葉祭に向ける生徒達の思いと,一生懸命伝えようとする気迫を感じました。聴衆へ挑みかかるように歌う三年生の姿は,「感動」という言葉を超えるものでした。人は一人では生きていけません。人という文字が表すように,人間は支え合い,助け合って生きています。だからこそ,制限された中での行事でしたがそれを通して,支え合い,助け合い,いたわり合った経験をこれからの生活の中で大切にして欲しいと思います。
 柏の葉中学校は,目指す学校の姿として,「柏の葉には いつも新しい風が吹いている学校」として,四つの学校づくりに取り組んでいます。「地域と共に魅力ある教育活動を創る学校」「社会が求める人材を育てる学校」「小中一体型の校舎を活かした連携教育を実践する学校」「教職員が力を発揮することのできる,健康的で働きやすい学校」。毎日の生活の中で,早朝から熱心に部活動に取り組む姿,熱き思いを言葉に託し行事を創り上げる姿,床に膝をつき一心に磨き上げる姿を見ることができました。最上級生として後輩達の先頭に立ち,常に「より良きものを追い求める姿」,その姿こそが,柏の葉中学校の「伝統」だと思います。三年生はその「伝統」という襷を後輩達に託しました。一・二年生にはこの襷を胸に,より一層の活躍をして欲しいと思います。
 桜の樹が生徒一人一人の夢を蕾にし,今,花開かんとしています。桜は夏の暑さの中で花芽をつけ休眠し,冬の寒さを乗り越え美しい花を咲かせます。人の生き方にも似ています。春休みに桜の下で家族揃って,これからの夢や思いを語り合う,そんな一時が欲しいものです。どの子にも夢と未来があります。そしてその花を見事に咲かせてほしいと願っています。