校長コラム

「ありがとう」を大切に

 花が風にそよぎ,木々の新緑が光に映える季節となってきました。緊張の面持ちで入学した1年生も中学校生活に慣れはじめ,元気に授業や部活動に取り組んでいます。一方,新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い,まん延防止等重点措置が適用され,感染レベルが上がったため,再び教育活動に制限がかかり,感染拡大防止に向け重大な局面にあります。そこで,今後の様々な教育活動において,支障があってはいけません。何らかの形を変えて実施する方向で検討してまいりたいと考えております。
 さて,本校の目指す学校の姿は,「地域とともに魅力ある教育活動を創る学校」「社会が求める人材を育てる学校」「小中一体型の校舎を活かした連携教育を実践する学校」「教職員が力を発揮することのできる,健康的で働きやすい学校」です。今年度は「愛する子どもたちの命と心身の健康を守り,最後まで粘り強く育てていく」をスローガンに,「深い学びへのアプローチ」「豊かな心の育成」「コミュニティスクール」「学校安全の取り組み」を重点に置いた学校づくりに取り組んでまいります。
 戦後「こどもの人格を重んじ,こどもの幸福をはかるとともに,母に感謝する日」として「こどもの日」が制定されました。しかしながら,総務省の発表では15歳未満の子どもの推計人口は,年々減少し総人口に占める子どもの割合も毎年連続して低下しているそうです。
 ふるさと柏,そしてこの国の未来を託す子どもの教育は学校だけで成立するものではありません。一人でも多くの地域の大人が関わり,地域ぐるみで人づくりをすることが大切です。関わることに特別な資格や年齢制限などはありません。朝夕,目の前を通る小・中学生に「おはよう・おかえり」の一声をかけてくれるだけで,子どもは地域での安心感を得ます。地域の行事に誘ってくれるだけで,地域への所属感を得ます。子どもの防犯・非行防止についても最大の抑止力は地域の大人の目です。学校は地域のものであり,教育は子どもを中心に教職員・保護者・地域の方々みんなで創り上げるものだと思います。
 『「ありがとう」を大切に!』,豊かな心を育む生徒の育成を目指して,中学校生活の様々な場面をとおして子ども達に豊かな心を伝えていきたいと思います。また,子どものみならずに関わる人たちが互いに「ありがとう」を交わせる学校・場になることを願っています。