校長コラム

「壬寅」成長の年に

 大寒に向かい朝夕の冷え込みが一層厳しさを増す中,各部活動の大会,委員会活動等の諸活動など,1・2年生は元気に3学期の活動を開始しました。3年生も茨城県の私立高校を皮切りに入試が始まりました。高校受験は誰しも不安なものです。しかし,体育祭や合唱祭の行事で最上級生としての団結力とリーダーシップを見せ学級の「絆」を深めてきた3年生,受験も互いに励まし合い、最後まであきらめず向かっていけると期待しています。何よりも願うことは健康に留意し,万全の体調で本番に臨んで欲しいということです。「がんばれ3年生!」,1・2年生も先生方もみんな応援しています。
 子どもの頃,師走になると家中が開け放たれ,大掃除が始まりました。冷たい水で障子を洗い,障子張りまでさせられました。元日の朝は,起きると茶の間には着物姿の両親が座っていました。母親のエプロンの白さと,三が日のお雑煮とおせちに飽き,ラーメンやカレーライスをせがんだことが思い出に残っています。今,世の中がとても便利になり元日からスーパーやコンビニも営業しており,道行く人も正月だからと特に着飾った様子も見らません。私も年明けはいろいろなことをしながらテレビの箱根駅伝に見入っていました。東京・箱根間を10人の選手が必死になり襷を繋ぐ姿は感動するものがあります。また,東葛駅伝で活躍した中学生が大学生となり,この箱根駅伝で多くの学生が活躍しています。
 3学期の始業式に生徒達へ次のようなことを話しました。「…『もう一つの箱根駅伝』と言われる駅伝がありました。箱根駅伝を沿道で応援する人は毎年たくさんいます。しかし,残念ながら声援後にはポイ捨てされたゴミや応援旗がたくさん出たそうです。地元の方が掃除することが多かったのですが,それを見た学生達が自分達の大会で出したゴミを自分達の手で綺麗にしようと企画したのが始まりだったそうです。神奈川県内の大学が中心となり2006年に始まりました。箱根駅伝の往路と同じコースと中継所を使って沿道のゴミ拾いするイベント,それが『もう一つの箱根駅伝』です。その駅伝も年々盛んになり参加校が20校を超え,その後「もう一つの東海道駅伝」と改名し,2011年から5回にわたり開催された,東京・日本橋から京都・三条大橋まで500㎞を5区間に分け丸一年かけてゴミの量とタイムで順位を競うゴミ拾い駅伝です。『一年の計は元旦にある』と言います。みなさんもそれぞれ目標を抱き新しい年を迎えたと思います。その目標の一つに学級・学年・学校,さらには地域のために何ができるかを今一度考え,ぜひ加えて欲しいと思います。…」
 今年は,壬寅の年,「壬」は「妊に通じ,陽気を下に姙(はら)む」,「寅」は「螾(ミミズ)に通じ,春の草木が生ずる」という意味があります。「壬寅」は厳しい冬を越えて,芽吹き始め,新しい成長の礎となるということです。生徒皆さんの更なる成長を願っています。本年もよろしくお願い申し上げます。